出版社内容情報
【内容】
華僑貿易商の残した経営史料より華商の問題点を分析。中国の伝統的収支法が果たしてきた歴史的役割と,従来からの「中国簿記の後進性」という通説を再検討する。平成七年度経営科学文献賞奨励賞。
【目次】
第1部 長崎華商の経営形態
第1章 幕末開港と華商の進出:その概況
1 開港による自由貿易の衝撃
2 華商の商業団体(商幇)の形成
第2章 厦門商家「泰益號」の経営形態
1 泰益號経営者の系譜
2 営業成績の変遷
3 経営形態
4 販売商品及び商業圏
5 貿易方法及び決済方法
6 資本蓄積の過程
第3章 福州商家「生泰號」の経営形態
1 資本と運営資金
2 経営組織と運営
3 営業成績の分析
第2部 経営管理の手段――中国式収支簿記法――
第4章 「泰益號」帳簿の実例研究
1 泰益號の帳簿史料
2 泰益號帳簿の構成分析
3 利益の計算
第5章 「生泰號」帳簿の実例研究
1 生泰號の帳簿史料
2 生泰號帳簿の構成分析
第6章 中国式収支簿記法の本質
1 資産と資本の二重分類簿記
2 収支簿記法の二つの特徴
文献一覧
付録
人名・商號名索引
事項索引
帳簿名索引
内容説明
経営帳簿による企業経営史へのアプローチ。幕末期以来、長崎に進出した華僑貿易商「泰益号」「生泰号」が残した厖大な経営資料をもとに、経営実態に重点を置き、華商の問題点をミクロな視点から捉えるとともに、中国伝統の収支簿記法が果たしてきた歴史的役割と、従来からの「中国簿記の後進性」という通説を再検討する。
目次
第1部 長崎華商の経営形態(幕末開港と華商の進出―その概況;厦門商家「泰益号」の経営形態;福州商家「生泰号」の経営形態)
第2部 経営管理の手段―中国式収支簿記法(「泰益号」帳簿の実例研究;「生泰号」帳簿の実例研究;中国式収支簿記法の本質)