企業勃興―日本資本主義の形成

高村 直助【編著】

ミネルヴァ書房（1992/03発売）

• サイズ A5判／ページ数 326,／高さ 22X16cm
• 商品コード 9784623021574
• NDC分類 335.21
• Cコード C3033

出版社内容情報

【内容】
日本において資本主義が形成に向かう画期となった最初の企業勃興－正当に評価されることのなかったこの時期を，様々な視点から総合的・多面的に解明し，企業勃興の意義を評価する。

【目次】
序章　松方デフレから企業勃興へ　　高村直助
一　局面の転換
二　企業勃興の諸条件
三　企業勃興の高揚と挫折

第一章　創業期の日本銀行　　神山恒雄
一　松方財政と日本銀行
二　兌換制度成立までの日本銀行
三　兌換制度成立後の日本銀行
四　日本銀行の果たした役割

第二章　道路建設と補助金政策　　長妻廣至
一　明治期の道路事情
二　道路建設の政策過程
三　各県における国庫補助要求
四　地域経済の深化と道路開発

第三章　交通資本の形成　　小風秀雅
一　企業勃興期における鉄道業
二　西日本型私鉄の特徴
三　創業期の経営問題
四　一八九〇年恐慌と鉄道企業
五　社債発行と鉄道資本家の台頭
六　私鉄経営の定着

第四章　二千錘紡績の蘇生　高村直助
一　一万錘紡績と二千錘紡績
二　二千錘紡績の利益回復
三　蘇生の外部的条件
四　蘇生の内部的条件
五　生産性の向上
六　二千錘紡績のと一八九〇年恐慌

第五章　筑豊炭鉱業の台頭　高村直助
一　企業勃興期の炭鉱業
二　鉱区拡大と機械導入
三　鉱区選定と海軍予備炭田問題
四　機械化の進展と企業形態
五　転換としての一八九〇年

第六章　機械工業の市場と生産　鈴木　淳
一　機械類輸入量からみた需要の概要
二　軍需生産を中心とした展開（一八八三～八六年頃）
三　民需生産を中心とした展開（一八八七～九一年頃）
四　近代機械工業の生成

第七章　初期製鉄業と職工社会　東條由紀彦
一　近代産業移入の初期条件
二　幕末大島高炉の性格
三　大島高炉群のその後の展開
四　田中製鉄所の小高炉再建
五　初期移植産業の「離陸」条件と企業勃興

第八章　製糸業とアメリカ市場　井川克彦
一　日本製糸業とアメリカ市場の出現
二　アメリカ向け生糸輸出への転換
三　アメリカ向け生糸生産への転換
四　アメリカ向け転換の諸過程

第九章　貿易金融と横浜正金銀行紐育出張所　上山和雄
一　問題の所在
二　輸出荷為替の取組み
三　紐育出張所の動向と役割
四　外国為替銀行への成長

第十章　米穀生産の拡大と対ヨーロッパ輸出の展開　大豆生田稔
一　米穀生産の拡大と米価
二　米穀輸出の展開
三　輸出拡大の諸条件
四　米作の発展と企業勃興

内容説明

日本において資本主義が形成に向かう画期となった最初の企業勃興―正当に評価されることのなかったこの時期を、地方的広がり、勃興の中心とならなかった産業も含めたその達成と限界、輸出拡大の諸条件、財政・金融諸政策などについて総合的・多画的に解明し、企業勃興の意義を評価する。

目次

序章　松方デフレから企業勃興へ
第１章　創業期の日本銀行
第２章　道路建設と補助金政策
第３章　交通資本の形成
第４章　二千錘紡績の蘇生
第５章　筑豊炭鉱業の台頭
第６章　機械工業の市場と生産
第７章　初期製鉄業と職工社会
第８章　製糸業とアメリカ市場
第９章　貿易金融と横浜正金銀行紐育出張所
第１０章　米穀生産の拡大と対ヨーロッパ輸出の展開

感想・レビュー

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[rbyawa]

ｅ３１２、明治初期のいわゆる私企業の出現の前後の（松方デフレの後って認識されてるんだな）のインフラの整備。紡績、炭鉱、製鉄や比較的中規模の機械工場。それと主要貿易品目である製糸、米穀などの話と日本銀行や横浜正金銀行との関わりと非常に広い範囲を扱っていたんですが、残念ながらそれぞれは結論に至るほどでもなく、一例の検証や論文レベルで終わっていたかなぁ。これだけ視野の広いジャンルを扱ってるなら各論よりも総論のほうが欲しかった気も。そういや初期の国営企業からの経験者の存在が民間企業の勃興のきっかけになってたのね。

2014/11/08