出版社内容情報
【内容】
歴史の表層に殆んど顔を出さないワイマルの新しい信仰集団の聖と性における行動は、常識的視野から見れば、狂言的で滑稽だが、そこへヒトラーの名が重なるとき、果たしてそれは戯画で終るのか。
【目次】
解説 社会の危機と患者の楽園-本書理解のために- ハーゲン・シュルツ
序
第I章 危機の予言者たち
第II章 先駆者たち
第III章 「マルクスかそれともイエスか?」-一一月革命からキリスト者革命まで-
第IV章 「テューリンゲンのメシア」-フリードリヒ・ムック=ランバーティ-
第V章 「青年のヨハネ」-マックス・シュルツェ=ゼルデ-
第VI章 「精神の君主」-ルードヴィヒ・クリスティアン・ホイサー-
第VII章 ホイサーの模倣者・後継者
エピローグ インフレ期の聖者たち-工業世界における予言者の救済運動-
内容説明
本書は、ワイマル期を中心に「生の更新」を唱えた宗教的集団の教祖たちの軌跡を研究したものである。千年王国やメシアを望む彼らの行動は妄信的・狂言的なものであった。しかし、不道徳で無秩序な彼らに、多くの人々がひかれたのは、彼らが時代の気分を見事に表わしていたからだと言えないだろうか。
目次
危機の予言者たち
先駆者たち
「マルクスかそれともイエスか?」―一一月革命からキリスト者革命まで
「テューリンゲンのメシア」―フリードリヒ・ムック=ランバーティ
「青年のヨハネ」―マックス・シュルツェ=ゼルデ
「精神の君主」―ルードヴィヒ・クリスティアン・ホイサー
ホイサーの模倣者・後継者
エピローグ インフレ期の聖者たち―工業世界における予言者の救済運動
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
ワイマール共和国のインフレはあまりにも有名であるが、その時期は既存の価値観に反する様々な人物が登場した時期でもあった。彼らワイマールに咲いた徒花の様な彼らの様々な活動を論じた一冊。インフレ予言者の存在を知ったのも本書が初めてなので、どこを読んでも誰を読んでも面白く読める。とはいえ誰しも民族主義と共産主義、キリスト教等が混然一体となったようなものばかりだけど。あと読みながら日本における戦後の新宗教ブームとか、アメリカのヒッピーを思い出した。どこの国でも戦争に負けたらこのような運動が起きるものであるかなあ。2017/07/15