出版社内容情報
【内容】
『商品による商品の生産』とそれをめぐる諸論争を通してスラッファ体系とその現代的意義を明らかにする。限界主義理論に対し代替的理論=生産価格を提示したスラッファを評価する,わが国初の本格的研究。
【目次】
序章 スラッファ体系をめぐる問題状況――本書の課題
第1部 スラッファ体系の学説史的背景
第1章 リカードの価値と分配の理論
リカード『利潤論』
『利潤論』から『原理』へ
『原理』の価値論
不変の価値尺度
第2章 マルクスの価値論・生産価格論
マルクスの「価値の生産価格への転化」
マルクスの転化論の問題点と「転化問題」論争
リピエツによる転化問題の「新しい解法」について
第2部 『商品による商品の生産』研究
第3章 スラッファ体系の形式
『商品による商品の生産』の「中心的諸命題」
スラッファの経済学研究
スラッファの転回
残された課題
第4章 スラッファ体系の基本構造
スラッファ体系の前提
スラッファの生産体系――基本モデル
分配関係と価格
標準商品・標準体系の構成
価値尺度としての標準商品
基礎的生産物と非基礎的生産物
小体系について
小体系についての付論
第5章 スラッファ体系の解釈と評価
スラッファの想定する経済体系
生産価格論としてのスラッファ体系
賃金の取り扱い
標準商品と支配労働
日付けのある労働量への還元
第3部 『商品による商品の生産』をめぐる論争
第6章 マルクス経済学からみたスラッファ体系
スラッファ体系とマルクス経済学の関係に関する諸論点
ド・ブリュノフとイートウェルの論争
カトラー、ヒンデス、ハースト、フセインによる批判
労働価値説をどうとらえるか
第7章 標準商品・標準体系の意義
ポルタの見解
ポルタの見解の検討
標準体系と転化問題(1)――搾取率と利潤率
標準体系と転化問題(2)――統計一致命題
第8章 スラッファ体系と収穫法則
「規模に関して収穫不変」をめぐる論争
スラッファ体系と収穫法則
規模に関して収穫不変を仮定することの意味
補論1 スティードマンのマルクス‐スラッファ論
スティードマンについて
スティードマンの本のねらいと構成
スティードマンのマルクス批判
価値、価格および利潤
スラッファとスティードマンの関連
補論2 リキテンスタインのスラッファ解釈
分配と相対価格、賃金率、賃金シェア
標準体系の導出手続き
終章 まとめと残された課題
本書で言及されたスラッファの著作・論文
内容説明
スラッファの『商品による商品の生産』は、古典派経済学の伝統を受け継ぎ,マルクスの限界を乗り越え、限界主義に対する代替理論を提示した。本書は、『商品による商品の生産』とそれをめぐる諸論争の考察を通してスラッファ体系の意義を明らかにした、わが国初の本格的研究書である。
目次
序章 スラッファ体系をめぐる問題状況―本書の課題
第1部 スラッファ体系の学説史的背景(リカードの価値と分配の理論;マルクスの価値論・生産価格論)
第2部 『商品による商品の生産』研究(スラッファ体系の形成;スラッファ体系の基本構造;スラッファ体系の解釈と評価)
第3部 『商品による商品の生産』をめぐる論争(マルクス経済学からみたスラッファ体系;標準商品・標準体系の意義;スラッファ体系と収穫法則;スティードマンのマルクス‐スラッファ論;リキテンスタインのスラッファ解釈)
終章 まとめ残された課題