出版社内容情報
【内容】
終身雇用制など日本経済の特徴的な制度条件や，70年代以降の成長径路の移動をめぐる既存の理論組替えを具体的に分析｡独自のモデルを構築し，複雑な日本経済を解明するための新しい経済理論を提起した｡
【目次】
第1章 貯蓄
貯蓄と金融資産
金融資産と利子
フロー金融市場とストック金融市場
貯蓄関数
第2章 企業行動と労働市場
――稼働率、分配率、利潤率――
正常価格と正常利潤率
減価償却の正常水準と現実水準
現実利潤率と稼働率
正常稼働率における利潤率
生産関数と雇用調整
労働市場のあり方と貨幣賃金率の硬直度
市場価格の正常水準からの乖離率
労働分配率と利潤率
終身雇用制
第3章 稼働率と資本蓄積
稼働率と資本蓄積率
投資と実質利子率
投資関数
第4章 インフレーション
中立的技術進歩、労働分配率、インフレーション
現実のインフレーション
インフレーションと貨幣供給
単純な事例
スタグフレーション
第5章 輸入資源価格
――いわゆる石油危機について――
交易条件の変化と実質GNP
所得移転と「要素」代替
輸入資源価格と労働分配率
貨幣賃金率とインフレ
資源価格騰貴と財政・金融政策
輸入資源価格騰貴と輸出需要
世界の地域別需要構造の変化
第6章 現実成長率、自然成長率および保証成長率
現実成長率
自然成長率と労働人口増加率
技術進歩率と経済の国際的位置
技術進歩と経済的要因
保証成長率
第7章 マクロ・モデルと現実
成長径路の安定性
現実の成長径路
――現実成長率と保証成長率――
貯蓄関数のマクロとミクロ
――社会保障と貯蓄率――
政府投資率と海外投資率
自然成長率と保証成長率
産業構造変化と輸出制約
終章 日本経済の当面する課題
――世界経済への対応――
制度部門別資金過不足表
――恒等式と因果式――
政府貯蓄率の構造
海外部門
発展途上国の累積債務と経済成長率
世界経済への対応
補論
――累積債務と経済成長についてのモデルの解――
参考文献
