語り、聞く沖縄の戦世(いくさゆ)―戦中・戦後の生活史

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語り、聞く沖縄の戦世(いくさゆ)―戦中・戦後の生活史

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622098614
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

出版社内容情報

2025年、戦後80年の節目に戦中・戦後の沖縄を生きた人々の来し方を文章にして残そうと、沖縄タイムス紙上で「沖縄の生活史~語り、聞く 戦世」と題した企画がスタートした。
募集に応えた「聞き手」らが、戦時の記憶を持つ「語り手」を思い思いに選び、その語りを聞き取った。そうして出来上がった計30篇の生活史が、2025年8月から2026年3月まで、半年以上にわたって沖縄タイムス紙に掲載された。本書は、そのすべてを1冊にまとめたものである。
沖縄は日本で唯一の、住民を巻き込んだ苛烈な地上戦の戦場となった土地である。戦争に巻き込まれながらも懸命に生き抜いた市井の人びとの、貴重な、無二の語りがここに。
解説=石原昌家(沖縄国際大学名誉教授)


【目次】

まえがき 沖縄タイムス社

山道で一人の老婆が倒れていました。体は衰弱しきっていて、か細い声で「お水をください」と私に呼びかけたのです
聞き手=糸数慶子(七七) 語り手=恩師・仲眞竹子(九六)

だけど、軍隊ではそのような優しさは通用しなくてね。規則を破ったことでひどく?られた
聞き手=妹(八四) 語り手=姉(九七)

そうね。自分たちもいつ死ぬか分からないから、みとるというよりも、姉さんは、どんなしてこのお父さんの死体を埋葬するか、一人で考えていたと思う
聞き手=上原稜啓(三〇)、花野(二九)、舜(二六)、隆太郎(二二) 語り手=祖母・上原史子(九五)

本土の方はゴザ敷いて。初めてゆで卵見てね、もううらやましくしてよ。あんたも上がりなさいっていう人はいなかったよ
聞き手=榮門琴音(四三) 語り手=祖父・榮門忠(一〇一)

戦争があれしてから、毎日、避難民が山から下りてる。避難民が全部、いっぱいいるけど、あんしぇ死ぬ人が、今日は何十名、今日は百名って、どんどん増えていってからに
聞き手=大庭紗英(二六) 語り手=小川哲夫(九五)

センスがあったんだはずよ
聞き手=荻堂志野(三三) 語り手=祖母・花城富子(九二)

その時、その家族と暮らしていたらよ、三股の子どもになっていたらよ、全然違っていた生活だったはずね
聞き手=嘉納英明(六二) 語り手=義母・比嘉清子(八七)

いやもう素早いんだ。それがみんなの最期なんだよな
聞き手=我部太郎(六二)、酒井文(五六)の夫妻 語り手=太郎の父・我部存(八九)

怖かったよ本当。だからね、人が住んでるのに何もしないのに。怖いんだよ、本当に三年生だったからね
聞き手=狩俣英美(三五) 語り手=祖母・知念菊(九〇)

理不尽なことはたくさんあったのですが、どうしようもありませんでした。それが戦争なのです
聞き手=川上明美(七〇) 語り手=元同僚・宮城玲子(八八)

僕がおしっこをかけた兵隊さんは、生き延びたのか、気になるね
聞き手=儀間芳奈(四七) 語り手=父・伊波勝雄(八六)

久得から屋良まで遠くて、学校に向かうのはとっても大変だったよ。もうフェンスの向こう側にあるからそこに行くことはできないね
聞き手=金城睦佳(二五) 語り手=祖母・金城美津子(八九)

わんねーあまくまーるうびとーしがあちまてぃあんしその場で戦争ぬ歌? 聞かせたさねー
聞き手=久志隆子(七〇) 語り手=おば(八五)

そうして、同伴していった船がね、一隻沈んだんじゃないかな。泊かなんかあの辺の子どもたちが乗っていたのだと思うけどね
聞き手=酒井織恵(五五) 語り手=叔母・稲嶺桂子(九〇)

だから、心残りはないさ。な、父ちゃん、な。はっしゃびよ。威張ってるよ。本当よ、字も分からん人が

内容説明

2025年、戦後80年の節目に戦中・戦後の沖縄を生きた人々の来し方を文章にして残そうと、沖縄タイムス紙上で「沖縄の生活史~語り、聞く 戦世」と題した企画がスタートした。募集に応えた「聞き手」らが、戦時の記憶を持つ「語り手」を思い思いに選び、その語りを聞き取った。そうして出来上がった計30篇の生活史が、2025年8月から2026年3月まで、半年以上にわたって沖縄タイムス紙に掲載された。本書は、そのすべてを1冊にまとめたものである。沖縄は日本で唯一の、住民を巻き込んだ苛烈な地上戦の戦場となった土地である。戦争に巻き込まれながらも懸命に生き抜いた市井の人びとの、貴重な、無二の語りがここに。

目次

山道で一人の老婆が倒れていました。体は衰弱しきっていて、か細い声で「お水をください」と私に呼びかけたのです
だけど、軍隊ではそのような優しさは通用しなくてね。規則を破ったことでひどく叱られた
そうね。自分たちもいつ死ぬか分からないから、みとるというよりも、姉さんは、どんなしてこのお父さんの死体を埋葬するか、一人で考えていたと思う
本土の方はゴザ敷いて。初めてゆで卵見てね、もううらやましくしてよ。あんたも上がりなさいっていう人はいなかったよ
戦争があれしてから、毎日、避難民が山から下りてる。避難民が全部、いっぱいいるけど、あんしぇ死ぬ人が、今日は何十名、今日は百名って、どんどん増えていってからに
センスがあったんだはずよ
その時、その家族と暮らしていたらよ、三股の子どもになったいたらよ、全然違っていた生活だったはずね
いやもう素早いんだ。それがみんなの最期なんだよな
怖かったよ本当。だからね、人が住んでるのに何もしないのに。怖いんだよ、本当に三年生だったからね
理不尽なことはたくさんあったのですが、どうしようもありませんでした。それが戦争なのです
僕がおしっこをかけた兵隊さんは、生き延びたのか、気になるね
久得から屋良まで遠くて、学校に向かうのはとっても大変だったよ。もうフェンスの向こう側にあるからそこに行くことはできないね
わんねーあまくまーるうびとーしがあちまてぃあんしその場で戦争ぬ歌?聞かせたさねー
そうして、同伴していった船がね、一隻沈んだんじゃないかな。泊かなんかあの辺の子どもたちが乗っていたのだと思うけどね
だから、心残りはないさ。な、父ちゃん、な。はっしゃびよ。威張ってるよ。本当よ、字も分からん人が
飛行機から「やんばるの方に疎開しなさい」ってビラが落ちよったって。その話をよくしてたね
あんたちは、辺野古のやんばるに避難しよーねーって馬車に乗せていこうとしてるときに、十・十空襲の戦闘機がビューンビューンして飛ぶのが見えたわけさ
月んあたがやー、ねーんはじどう。真っ暗しんりいいしやか、ふんとぅぬ真っ暗しんのあらん
あいやぁ、もう戦争の弾の中からあんなにしてしのいできてね、こんな形で亡くなったと思って、もう涙が止まらんわけさ
そしたら、そういう国で勉強したいとかそういう国の人と仕事したいって思うようになった〔ほか〕

著者等紹介

石原昌家[イシハラマサイエ]
1941年、台湾宜蘭市生まれ、沖縄県那覇市首里出身。沖縄国際大学名誉教授。沖縄の生活史、戦争体験などの研究。1970年から沖縄県史、各市町村史字誌などの編纂執筆にかかわる。沖縄の各平和資料館企画に参加。第三次家永教科書訴訟(沖縄戦部分)や沖縄靖国神社合祀取消裁判等の専門家証人として証言。全戦没者刻銘碑「平和の礎(いしじ)」の刻銘検討委員会元座長等歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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