出版社内容情報
バウハウス最後の巨匠であり、永遠の定番、ユンハンスの腕時計等で知られるスイスのデザイナー、マックス・ビル(1908-1994)。造形理論家として教育や出版にも情熱を注いだビルが残した芸術・デザイン・教育・建築に関する論考を、ビルに学んだ故・向井周太郎(武蔵野美術大学名誉教授)が精選し、日本版オリジナル編集で一冊に。デザイン界、待望の書。
【目次】
口絵 《ひとつのテーマによる15のヴァリエーション》
日本での刊行によせて ヤコブ・ビル
I 芸術 kunst
具体芸術
新しい芸術における概念の意味
現代芸術における数学的思考方法
芸術としての構造か? 構造としての芸術か?
不変の事実としての芸術
ステートメント 1978
諸芸術の機能
ひとつのテーマによる15のヴァリエーション
ある記念碑
アイディア・コンセプト・作品――ひとつのテーマについて
精神的使用のための自律した対象
II フォルム form
機能からの美、機能としての美
良いフォルム
フォルムと芸術
不変と変化
モルフォロギー的手法による環境形成
「フォルム、機能、美しさ」=「ゲシュタルト(形態)」
III プロダクトフォルム produktform
工業生産品のフォルム設計における経験
プロダクトフォルムという概念の定義
時計との経験
なぜ、建築家は家具もつくるのか?
IV グラフィック grafik
ビル・チューリヒ、ビル広告
タイポグラフィは、現代のグラフィック表現である
タイポグラフィについて
芸術とグラフィック―グラフィックと芸術
デザインと情報における責任
V 教育 erziehung
教育と造形
バウハウスの記録――ヴァイマール州立バウハウスからウルム造形大学へ
造形大学の課題と目的
ウルムというモデルケース――造形大学の問題性
VI 建築 bauen
都市の要素として多様に構成された住宅地区
バウハウスからウルムまで
プレハブ建築――自由か束縛か?
形成された環境の一部としての建築
解説――論考に沿って 向井知子
底本・初出一覧
主要参考文献
人物・事項解説
編者あとがき
目次
1 芸術(具体芸術;新しい芸術における概念の意味;現代芸術における数学的思考方法 ほか)
2 フォルム(機能からの美、機能としての美;良いフォルム;フォルムと芸術 ほか)
3 プロダクトフォルム(工業生産品のフォルム設計における経験;プロダクトフォルムという概念の定義)
著者等紹介
ビル,マックス[ビル,マックス] [Bill,Max]
1908年、スイス・ヴィンタートゥール生まれ。1924‐27年、チューリヒ美術工芸学校で銀細工を学んだのち、1927‐28年バウハウス・デッサウ校で、パウル・クレー、ヴァシリー・カンディンスキー、ヨーゼフ・アルベルス、ラースロー・モホイ=ナジらに師事する。1929年よりチューリヒを拠点に、建築、芸術、グラフィック、プロダクト、展覧会構成など多岐にわたる活動を展開。造形の理論家・著述家、教育者としても活躍。環境形成を目標とし、みずから「スプーンから都市計画まで」の総合的な造形活動を実践しながら、フォルムや色彩についての理念をかたちづくっていった。第二次大戦後、バウハウスの教育思想を継承するウルム造形大学(ドイツ)を共同創設し、初代学長となる(1953‐56)。1993年第五回高松宮妃殿下記念世界文化賞彫刻部門受賞。1994年、ベルリンにて歿
向井周太郎[ムカイシュウタロウ]
1932年東京生まれ。デザイナー、デザイン教育者。武蔵野美術大学名誉教授。早稲田大学大学院在学中にJETROの留学制度でドイツ・ウルム造形大学基礎課程(1956‐57)を修了。マックス・ビルらに師事。産業工芸試験所意匠部研究生、豊口デザイン研究所を経て、ウルム造形大学(1963‐64)、ハノーファー大学(1964‐65)のインダストリアル・デザイン研究所フェロー。1967年、武蔵野美術大学に基礎デザイン学科を設立し、デザインの領域横断的な新しいタイプの人材の育成とデザイン学の形成に力を注ぐ。2024年歿
向井知子[ムカイトモコ]
1968年東京生まれ。1991年武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業、1996年ドイツ・ケルンメディア芸術大学大学院修了(ドイツ学術交流会〈DAAD〉奨学生)。街中での映像空間演出、文化財の映像展示、音楽やパフォーマンスのための映像制作などを手がける。国内外の大学で教員・研究員としてデザインおよびアート教育に従事し、国際交流授業やワークショップを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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