出版社内容情報
ハチは「群知能」だけでなく、1匹1匹も高度に進化した心をもっていた! ハナバチの認知研究の権威である著者が、1匹の内にある驚くべき精神生活を説き明かす。
もちろん、ハチの心は人間の心とはまったく異なる。しかしハチの心が「原始的」だと思ったら大間違い。本書の読者はまず、ハチの賢さに驚嘆するだろう。どんな課題もたちどころに学習し、瞬時に効率のよい判断を下して問題解決する。数を数え、道具を使い、ほかのハチやほかの動物から問題解決の方法を盗みさえする、等々……。この速くて柔軟な心は、採餌や帰巣の必要、ハチの形態やサイズなどに適う方向へ、進化の手が精巧に磨き上げてきたものだ。
ファーブル、カール・フォン・フリッシュ、マルティン・リンダウアー、そしてもちろん著者自身も含め、数多の研究者たちがアイデアを凝らした巧妙な実験によって、その「異なる心」の解明に挑んできた。ハチの内面を探る実験のおもしろさも本書の大きな読みどころの一つだ。
著者はハチの個体が「パーソナリティ」をもち、「自他」を区別し、内的表象を形成し、苦痛や情動を経験するといった心的機能も探っている。本書を読む前と後で、ハチはもちろん、すべての昆虫への見方が変わらずにはいられない。
内容説明
ハチの知性がすごすぎる。高速の思考。限界の見えない学習能力。人間より密度の高い時間を生きている。数を数え、道具を使い、ほかの個体から問題解決の方法を盗みさえする…。ハナバチの認知研究の最前線で明らかになる、その驚くべき精神生活。
目次
1 はじめに
2 不思議な色で世界を見ている
3 ハチの異質な感覚世界
4 「単なる本能」なのか?
5 ハチの知能とコミュニケーションの起源
6 空間についての学習
7 花についての学習
8 社会的学習と「群知能」
9 そのすべてを背後で支えている脳
10 ハチの「パーソナリティ」の個体差
11 ハチに意識はあるか?
12 終わりに―ハチの心に関する知識はハチの保全にどんな意味をもつか
著者等紹介
チットカ,ラース[チットカ,ラース] [Chittka,Lars]
英・ロンドン大学クイーン・メアリー校教授(感覚・行動生態学)。動物の感覚・学習・認知と進化・生態にまたがる幅広いテーマで研究をおこなっている。特に、ハナバチの心・知性と行動の研究を牽引する第一人者として世界的に知られ、300本近い論文を査読誌に発表している。PLoS Biologyの編集委員(2004‐現在)、PNASのゲスト編集委員(2023)、Proceedings of the Royal Society Bの編集委員(2010‐2012)など、トップジャーナルの編集メンバーも歴任
今西康子[イマニシヤスコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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