アンチ・アンチエイジングの思想―ボーヴォワール『老い』を読む

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アンチ・アンチエイジングの思想―ボーヴォワール『老い』を読む

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  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622097303
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

老いには誰も抗えない。それなのに、私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。平均寿命が延び、老人としての生が長くなったことで、誰もが老いに直面すると同時に不安も高まっている。
自分が老いたことを認めたくないのは、社会が老いを認めないからだ。それを惨めにしているのは文明のほうなのだ。「老いは文明のスキャンダルである」――この言葉に導かれて、ボーヴォワール『老い』への探究がはじまる。
さらに日本の介護の現場を考察し、ボーヴォワールのみた景色の先へと進む。認知症への恐怖、ピンピンコロリという理想、安楽死という死の権利。その裏側にある老いへの否定から見えてくるのは、弱いまま尊厳をもって生ききるための思想がぜひとも必要だということだ。
ひとが最後の最後まで人間らしく生きるには、徹底的な社会の変革が必要なのだ。老いて弱くなることを否定する「アンチエイジング」にアンチをとなえ、老い衰え、自立を失った人間が生きる社会を構想する。

内容説明

老いには誰も抗えない。それなのに、私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。平均寿命が延び、老人としての生が長くなったことで、誰もが老いに直面すると同時に不安も高まっている。自分が老いたことを認めたくないのは、社会が老いを認めないからだ。それを惨めにしているのは文明のほうなのだ。「老いは文明のスキャンダルである」―この言葉に導かれて、ボーヴォワール『老い』への探究がはじまる。さらに日本の介護の現場を考察し、ボーヴォワールのみた景色の先へと進む。認知症への恐怖、ピンピンコロリという理想、安楽死という死の権利。その裏側にある老いへの否定から見えてくるのは、弱いまま尊厳をもって生ききるための思想がぜひとも必要だということだ。ひとが最後の最後まで人間らしく生きるには、徹底的な社会の変革が必要なのだ。老いて弱くなることを否定する「アンチエイジング」にアンチをとなえ、老い衰え、自立を失った人間が生きる社会を構想する。

目次

老いは文明のスキャンダルである
文化の中の老い
歴史の中の老い
近代化の中の老い
「生きられた経験」としての老い
知職人の老い
老いと性
女性の老い
高齢者福祉の起源
ボケ老人へ向ける眼
アンチ・エイジズム
三つの死
「死の自己決定」はあるか
ボーヴォワールの「宿題」
「自立神話」を超えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

65
【人は老いる。老いて衰える。やがて依存的な存在になる。人は人の手を借りて生まれ、人の手を借りて死んでゆく。そういうものだ。そのどこが悪い】ボーヴォワールの「老い」を通して、自己嫌悪させる社会のからくりを暴く書。巻末に、引用・参考文献とボーヴォワール略年譜。「あとがき」で、<1970年に『老い』を刊行したときにはボーヴォワールが知らなかったこと、彼女の想像が及ばなかったことを21世紀に生きる私たちは知っている。それはボーヴォワールに限らずすべての個人が背負う歴史的限界であり、後から来た者の特権である>と。⇒2025/06/20

hasegawa noboru

20
今、生きている現実として「老い」がある。今日72歳の誕生日を迎えるはずだった妻は2か月前にがんで逝った。これほど身につまされて読んだ同世代上野の本はない。62歳のボーヴォワールが書いた『老い』をコロナ禍中に逢って手にしたという73歳の「わたし」(著者・上野)が解説紹介しながら考察する。<わたしが読みたかったのはこの本だったのだ><老人になるとは情けなくもいとわしい経験であることをボーヴォワールはくりかえし述べてきた>。ボーヴォワールの母の老いと死を巡っての章では、著者自身の父の死の記憶に重ねて考察する。2025/07/14

冬峰

5
全15章、取り上げたテーマはどれもでかい。ボーヴォワールとサルトルの老いや看取りから、日本の介護制度、性別によるケア担当の偏り、安楽死と「自己決定」のあやふやさなど現代の問題を扱う。とにかく若さ至上主義の現代社会は、若者たちには老いへの恐怖を与え、老人たちからは尊厳や生きる意志を奪う。そこにも性別の差は深く影響する。どうあがいても老いは来る。しかも超高齢社会。社会が老人を中心に置くぐらいのことをしないと、構成員の価値観は変わらないだろうな…。2025/08/14

アトム

3
読めるかなと思ったが、興味深く読み終えた。自らの問題だと思った。 「まだまだ若い」「年寄り扱いするな」という高齢者のイメージをポジティブに更新するアンチ・エイジズムと、「老い衰えて弱くなった」「それの何が悪い」という弱さを受容するアンチ・エイジズム。2025/08/07

skr-shower

3
祖母が「初めて80歳になるんだから」といっていました。「役に立たなきゃ生きていてはいけない」社会なんだから仕方ない。寝る食う出す、は動物としては生きているのだがなぁ…2025/07/31

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