核燃料サイクルという迷宮―核ナショナリズムがもたらしたもの

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核燃料サイクルという迷宮―核ナショナリズムがもたらしたもの

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622096979
  • NDC分類 539.48
  • Cコード C0036

出版社内容情報

日本のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。本書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日本の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。
日本では、戦前から続く「資源小国が技術によって一等国に列す」という思想や、戦間~戦中期に構造化された電力の国家管理、冷戦期の「潜在的核武装」論など複数の水脈が、原子力エネルギー開発へと流れ込んだ。なかでも核燃料サイクルは、「核ナショナリズム」(疑似軍事力としての核技術の維持があってこそ、日本は一流国として立つことができるという思想)の申し子と言える。「安全保障に資する」という名分は、最近では原子力発電をとりまく客観的情勢が悪化するなかでの拠り所として公言されている。
著者はあらゆる側面から,この国の「核エネルギー」政策の誤謬を炙り出している。地震国日本にとって最大のリスク・重荷である原発と決別するための歴史認識の土台、そして、軍事・民生を問わず広く「反核」の意識を統合する論拠が見えてくる労作。

内容説明

日本のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。本書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日本の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。著者はあらゆる側面から、この国の「核エネルギー」政策の誤謬を炙り出している。地震国日本にとって最大のリスク・重荷である原発と決別するための歴史認識の土台、そして、軍事・民生を問わず広く「反核」の意識を統合する論拠が見えてくる労作。

目次

序章 本書の概略と問題の提起
第1章 近代日本の科学技術と軍事
第2章 戦後日本の原子力開発
第3章 停滞期そして事故の後
第4章 核燃料サイクルをめぐって
終章 核のゴミ、そして日本の核武装

著者等紹介

山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。科学史家。著書に『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、パピルス賞・毎日出版文化賞・大佛次郎賞)『近代日本一五〇年』(岩波新書、2018、科学ジャーナリスト賞、2019)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

117
こんな頭の良い人はいないと尊敬してやまない山本義隆さん。「核燃料サイクルが破綻している」くらいは私でもわかる。でも、山本さんの分析は、歴史や技術の背景を踏まえ、流石に鋭い。「原子力発電→核燃料サイクル」という流れではなく、「原子力発電の第一目的が核燃料サイクルの確立だった」という視点に立つ。NPT加盟国のうち核保有国以外で再処理の権利を獲得している唯一の国が日本。その権利を維持し、「潜在的核武装能力」を保持するために、核燃料サイクルという虚構を捨てられないのだと。「核ナショナリズム」の怖ろしさが胸を刺す。2024/07/23

青雲空

11
絶望的な気分になった。経済性を失っている核発電だが、自民党と官僚の真の目的は、大国のプライドを維持してくれる核武装。潜在的核保有能力が目的なので、ペイしなくてもお構いなし。原発メーカーは軍需同様、言い値で買ってくれる政府がバックにいるから「美味しい」仕事になる。電力会社は元々は気乗り薄だったが、しょせん国策だから他人任せで、収益は総括原価方式で守ってもらえる。 原発、辺野古そしてリニアという金食い虫が日本の将来を食い潰していくのだろう2024/09/02

くらーく

4
迷宮のままなのかねえ。使用済み核燃料をせめて100年単位で無力化できれば、原子力発電も悪くは無いと思っているのだが。持っていても仕方が無いものを捨てられず、後世に託すと言うのは心苦しいですな。いつかは。。。2024/11/01

鯉二郎

4
これまで読んだ反原発の本の中で本書は最も読みごたえがある。在野で長年物理や科学に向き合ってきた著者は、日本の原発の成り立ち、特異性、破綻した核燃料サイクルへの執着、たまり続けるプルトニウム、核のごみ処分の先送りなど、原子力ムラの虚構や欺瞞を徹底的に暴く。著者は原子力発電を核発電と呼ぶ。聞き慣れない言葉だが、核分裂で生じるエネルギーを利用し、兵器用に使った技術を発電に転用したのだから、核発電が本来の意味に近い。再び原発回帰に傾く今、改めて原発の危険性と不採算性を知ることは重要である。2024/09/22

tu-ta

3
この本、古典になるのではないかと、確か反天連のAさんが言っていたようなおぼろげな記憶。斜め読みして感じたのは、核問題を考える教科書のような本。PP研で行われている戦後研のテキスト。図書館で借りて、延長したのに、やっぱり読み終えなかった。いつかちゃんと読みたい。~~つまるところ、原発にたいする闘いは中央集権にたいする闘いでもある。すなわち「脱原発、自然エネルギーの世界への道筋は、地方から中央に電力を吸い上げる中央集権主義からの脱却であ」るということになる。(鎌田『さよなら原発の決意』2012年27頁)(続く2024/09/26

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