解離―若年期における病理と治療 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 556p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622096863
  • NDC分類 493.74
  • Cコード C3047

内容説明

本書は、「解離」を包括的に描いたはじめての書である。副題に「若年期における病理と治療」とあるが、これは主題の限定を意味するのではなく、解離性障害の多くが児童/青年期に受けた虐待や非道処遇と密接に関連しているからである。なかでも解離性同一性障害ともいわれる多重人格性障害には、その傾向が著しい。著者は、長年の研究から、一見奇怪な解離性症状、たとえば複数の交代人格の出現なども、同一性の確立と基本的発達過程の挫折ととらえ、発達論的見地から病的解離を理解しようとする。正常な解離と病的解離のちがいや解離性障害の診断から、どのような治療を、特に発達途上の児童/青年に行なうべきかまで、現在のアメリカの研究を総動員した本書は、医師・専門家や被害者・関係者にとって不可欠の書となろう。

目次

第1章 序説
第2章 児童期心的外傷と非道処遇の本性と効果
第3章 非道処遇の転帰への影響因子と共通主題
第4章 解離序説
第5章 病的解離
第6章 外傷・解離・記憶
第7章 病的解離のモデルをめざして
第8章 「離散的行動状態」モデル
第9章 解離の発達的基盤
第10章 日常生活における解離と変成状態
第11章 解離症例提示―症例素描
第12章 臨床的現象学と診断
第13章 治療の哲学と原則
第14章 個人治療
第15章 解離性家族と家庭外居住
第16章 精神薬理学

著者等紹介

パトナム,フランク・W.[パトナム,フランクW.] [Putnam,Frank W.]
1947年に生れる。1975年インディアナ大学医学部卒業、神経生理学の学位を取得後、イェール大学精神科で研修を行なう。この期間中にPTSDのベトナム帰還兵の治療を担当したことを契機に、トラウマ研究の道に進むことを決意する。その後NIMH(国立精神保健研究所、後に統合されてNIH国立保健研究所)研究員となり、多重人格性障害の研究に従事する一方、臨床コンサルタントとして活躍、1999年からはオハイオ州シンシナティの子ども病院付属メイヤーソン・センター所長に転出し、児童虐待防止プログラムの開発に携わる

中井久夫[ナカイヒサオ]
1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。2022年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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