フォルモサ・イデオロギー―台湾ナショナリズムの勃興1895-1945

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フォルモサ・イデオロギー―台湾ナショナリズムの勃興1895-1945

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  • サイズ 46判/ページ数 536p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622096498
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

17世紀以来の漢族系移民の入植地であり、清帝国の省であった台湾は、日清戦争後に日本へ割譲され、51年にわたりその植民地支配下に置かれた。本書は、植民地台湾において、ナショナリストたちがいかにしてその空間を自らのネーションとして想像するにいたったのか、それがなぜ祖国復帰を目指す中国ナショナリズムではなく「台湾ナショナリズム」として発展したのかを、その領域的基盤の形成とイデオロギー形成の両面から論じるものである。
日本の植民地主義は、地理的、人種的、文化的に近接する人々を支配し、国民的共同体に従属的に包摂することを目指すものであった。西洋への反動として生じた明治以来の日本の国民国家形成の延長であったそれは、西洋によって再び植民地化されることへの恐怖に囚われていたがために、植民地臣民に同化を迫りつつも、差異を保ち、自らの優越性を維持する必要があった。それは、類似性と差異性を恣意的に操作し、周縁の人々を東洋化することで自らの東洋化に抗う〈東洋的植民地主義(オリエンタル・コロニアリズム)〉であった。
しかし台湾人をして「弱小民族」としての共通の運命を自覚せしめ、台湾を一個のネーションとして想像させたのは、日本の両義的で差別的な包摂にほかならなかった。1920年代に生じた自決的民族の想像は、その後の反植民地闘争や台湾人内部での論争を通じて、洗練された〈フォルモサ・イデオロギー〉として分節化されていった。
台湾ナショナリズムの原点を探る、著者の里程標的論考。

内容説明

日本の“東洋的植民地主義”の下で、台湾人はいかにして自らのネーションの政治的形式を想像し、そこに文化的内容を付与していったのか。その葛藤的過程を描く。

目次

第1章 植民地台湾とナショナリズムの諸理論(台湾ナショナリズムという問い;文献の検討;本書の主張;本書の構成と方法論)
第2章 差別的包摂―周縁における日本の植民地的国民形成(大日本帝国再考;差別的包摂―周縁における日本の植民地的国民形成 ほか)
第3章 ナショナルになってゆく―政治的闘争と台湾国民国家の言説(一九一九‐一九三一)(割譲―分かたれた想像の出発点;「台湾は台湾人の台湾ならざるべからず」―同化主義と自治主義の相克 ほか)
第4章 ネーションになる―文化的抵抗と台湾民族文化の言説(一九一九‐一九三七)(文化の誕生―一九一九‐一九二一;文化の崩壊―一九二三‐一九二九 ほか)
第5章 東洋的植民地主義下のナショナリズム(台湾と植民地ナショナリズムの“アンダーソン=チャタジー・テーゼ”;沖縄および朝鮮によるテーゼの検証 ほか)
補論

著者等紹介

呉叡人[ゴエイジン]
1962年台湾桃園生まれ。国立台湾大学政治系卒、シカゴ大学政治学博士。専門は比較史的な歴史分析、思想史、文学。現在、中央研究院台湾史研究所副研究員

梅森直之[ウメモリナオユキ]
1962年広島県呉市生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部卒、シカゴ大学政治学博士。早稲田大学政治経済学部助手、専任講師、助教授を経て、現在、早稲田大学政治経済学術院教授。専門は日本政治思想史

山本和行[ヤマモトカズユキ]
1977年生まれ。天理大学国際文化学部中国学科、京都大学大学院教育学研究科修士課程、同博士後期課程。博士(教育学)。現在、天理大学国際学部外国語学科中国語専攻教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。