出版社内容情報
科学によってアルツハイマー病を克服するためには、まずこの現状を見直さなければならない。インサイダーだけが知る、袋小路に陥ったアルツハイマー病研究分野の今。
「私たちはアミロイドのみのルートを通ってアルツハイマー病の治療薬を追い求めてきたために、多くの時間を失った。たぶん10~15年は無駄にしてきただろう」(本文より)。
実績ある科学者が、アカデミズム・製薬産業・関係官庁三つ巴の迷走の驚くべき裏事情を明かす。良心的な告発の書であり、アルツハイマー病についての直近数十年間の認識じたいを根本から問い直す一冊。
内容説明
一つの仮説に賭けてしまったこの分野の科学の現状。直近数十年の認識自体を問い直す、真摯な総括と告発の書。
目次
1 初めに何があったのか(患者と家族、市民にとってのアルツハイマー病の歴史;医師にとってのアルツハイマー病の歴史;科学者にとってのアルツハイマー病の歴史;謎が解けた!アルツハイマー病研究を変えた四つの発見)
2 夢の治療薬はどこへ行った?(アルツハイマー病病理モデル構築の試み)
3 両刃の剣(国による基礎生物医学への支援;製薬・バイオ産業;モデルの検証と、その無惨な結果;アルツハイマー病とは何だろうか?)
4 では、ここからどうする?(老化の生物学から始めよう;アルツハイマー病の新しいモデルをつくる;研究戦略の多様化を図る;関連機関のあり方を見直す)
著者等紹介
ヘラップ,カール[ヘラップ,カール] [Herrup,Karl]
ピッツバーグ大学医学校神経生物学教授。香港科技大学生命科学教授(兼任)。1974年、スタンフォード大学にてPh.D.(神経科学)を取得。ハーバード・メディカルスクールとバーゼル分子生物医学研究所神経薬理部門で博士研究員を務めたのち、イエール大学ヒト遺伝学部門助教(1978‐1984年)、同准教授(1984‐88年)、ハーバード・メディカルスクール神経生物学部門准教授(1988‐92年)などを経て、1992年にケース・ウェスタン・リザーブ大学メディカルスクール神経学科・神経学部門(および、同大学病院、在クリーヴランド)の教授となり、1999-2005年には同大学アルツハイマー病研究センターのディレクターを務めた。北米神経科学学会員。ピッツバーク在住
梶山あゆみ[カジヤマアユミ]
東京都立大学人文学部英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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