相分離生物学の冒険―分子の「あいだ」に生命は宿る

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相分離生物学の冒険―分子の「あいだ」に生命は宿る

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  • サイズ 46判/ページ数 226p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622095866
  • NDC分類 464.1
  • Cコード C1045

出版社内容情報

生きた細胞と、細胞内の全分子を含む水溶液のビーカーは何が違うのだろう。どちらも生命として必要な分子は揃っている。たとえば酵素の分子は、水溶液中でも化学反応を触媒する能力を持っている。しかし、ビーカーは生きていない。
近年注目されている相分離生物学によれば、「生きた状態」は、細胞内の分子群が作るドロプレット(液滴)によって維持されている。ドロプレットはわずかな変化に応じて作られ、その中で化学反応を何万倍も加速したり、非常事態に備えたりしている。無数の化学反応が細胞内で混線せずに進行しているのもドロプレットのおかげだ。生きた状態は、絶え間なく生成・消滅するドロプレットによって分子の環境が精密に制御されることで実現しているのである。
では、分子群がドロプレットを自在に形成する条件は何か。著者は、個々の分子に注目する従来の分子生物学の見方を変え、「分子と分子のあいだ」まで視野を広げることで、溶液化学や熱力学などに手がかりが見つかってきていると語る。
生命を駆動する法則を探る、新たな生物学の冒険へと誘う書。

内容説明

生きた細胞と、細胞内の全分子を含む水溶液のビーカーは何が違うのだろう。どちらも生命として必要な分子は揃っている。たとえば酵素の分子は、水溶液中でも化学反応を触媒する能力を持っている。しかし、ビーカーは生きていない。近年注目されている相分離生物学によれば、「生きた状態」は、細胞内の分子群が作るドロプレット(液滴)によって維持されている。ドロプレットはわずかな変化に応じて作られ、その中で化学反応を何万倍も加速したり、非常事態に備えたりしている。無数の化学反応が細胞内で混線せずに進行しているのもドロプレットのおかげだ。生きた状態は、絶え間なく生成・消滅するドロプレットによって分子の環境が精密に制御されることで実現しているのである。では、分子群がドロプレットを自在に形成する条件は何か。著者は、個々の分子に注目する従来の分子生物学の見方を変え、「分子と分子のあいだ」まで視野を広げることで、溶液化学や熱力学などに手がかりが見つかってきていると語る。生命を駆動する法則を探る、新たな生物学の冒険へと誘う書。

目次

命は分子のあいだに宿る
1億倍の加速装置
二つのドグマ
生命は「溶かす」ことで進化した
溶液の構造をデザインする
レビンタールのパラドックス
プリオンの二つの顔
アミロイドはアルツハイマー病の原因なのか
タンパク質の宇宙
分子の群れを計測する
相分離スケールの野望
人工生命というアプローチ
細胞内はなぜ高濃度か
生きている状態の新たな理解

著者等紹介

白木賢太郎[シラキケンタロウ]
1970年生まれ。1994年大阪大学理学部卒業、1999年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。現在、筑波大学数理物質系教授。専門はタンパク質溶液科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やいっち

59
10日掛けてゆっくりじっくり。好著快著。いすず書房フェアで発掘した一冊。生物学はここまで来てる!2024/02/02

クリママ

40
分子ではなく、分子と分子の間に生命の鍵がある。分子と分子の相互作用を主役にし、分子集合物を生命の理解の単位にする生命科学を相分離生命学という。金属以外の物質は分子で出来ているのに、生きた状態と何が違うのか。アミノ酸、タンパク質、RNA、溶解度… ご子息のアレルギー、認知症の薬、狂牛病、なじみのある言葉から始まり、丁寧に説明されているのに、用語さえ難しく、とても理解できたとは言えない。でも、読みたいと思う。35億年前に発生し進化し続ける生命の不思議とすばらしさを知り、その研究の過程を見ることは胸躍ることだ。2024/04/11

kamekichi29

7
相分離生物学というのは比較的新しい分野の学問らしい。この相分離生物学の立場から生命とは何かについて考えます。タンパク質単体で考えるのではなく、タンパク質が溶けている環境、濃い有機スープの濃度も関係しているらしい。難しいところもあったけど、面白かった。2024/04/20

人生ゴルディアス

4
面白かった。細胞をすり潰すと失われるのはなにか? フラスコに部品を過不足なく入れれば再び生命として動き出すのか、という話。部品を並べただけでは動かず、部品と部品の関係性が必要であり、それは液-液相分離だそうだ。物質Aがあると物質Bが集まりやすく、水と油が分離するみたいに細胞内で濃度差が生まれ、この物理的関係性が様々な反応のトリガーとして機能する。細胞がすり潰されて失われるのは、この濃度差などなのだろう、という結論。要はタンパク質レベルでエントロピーを効果的に減少させる方法があるのだと理解した。2023/10/17

Teo

2
相分離生物学と言うのを知らなかったので買った。なるほど、確かにここで言う路線図に該当する代謝経路は私が学生だった時代にはもう明らかになっていて、そう言うものだとは思っていた。だが、それはあくまでもそう言う路線図みたいなものであってそれが生物の細胞内で構成要素を放り込んだら動くものではない。液‒液相分離によるドロプレットの構成によってそこに高濃度の関係酵素などが集まる事で駆動される。私が生物学専攻から離れてからそんな理論が組み立てられていたんだ。2023/05/23

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