語りと祈り

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  • サイズ 46判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622095699
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

かつてこの世の物語の多くは、土地に息づく小さな神々の声をもって語られていた。世界を語る言葉は「風土を生きる身体」によって紡がれ、人や鳥獣虫魚草木のいのちが宿っていた。そして、人びとは近代の到来とともにそれをあっけなく忘れた。
近代の前と後の断絶。たとえば村共同体の核にあった「神」や「仏」が国家神道によって追放された歴史。あるいは折口信夫が来訪神の祝言に「この世にあらわれたはじめての文学のことば」を聴き、祈りの所作に「芸能の発生」を見た、人びとの暮らし。風土の神々と共にあった民の記憶、民の物語も忘れられていった。
この列島は太古からずっと「ひとつの日本」だったのか。声を奪われつづけた世界のなれの果ての時代に、取り戻した声を手がかりにして再生の道を拓くことはできないか。
説経、山伏祭文、貝祭文、説経祭文、瞽女唄、浄瑠璃、浪曲、パンソリ……、「語り」の声に耳澄まし、失われた声を追い、名残の声に引かれて、足尾銅山、水俣、八重山諸島、済州島をゆく。来るべき「声」の場、そして反旗を翻す詩の可能性を眼差して。

内容説明

かつてこの世の物語の多くは、土地に息づく小さな神々の声をもって語られていた。世界を語る言葉は「風土を生きる身体」によって紡がれ、人や鳥獣虫魚草木のいのちが宿っていた。そして、人びとは近代の到来とともにそれをあっけなく忘れた。近代の前と後の断絶。たとえば村共同体の核にあった「神」や「仏」が国家神道によって追放された歴史。あるいは折口信夫が来訪神の祝言に「この世にあらわれたはじめての文学のことば」を聴き、祈りの所作に「芸能の発生」を見た、人びとの暮らし。風土の神々と共にあった民の記憶、民の物語も忘れられていった。この列島は太古からずっと「ひとつの日本」だったのか。声を奪われつづけた世界のなれの果ての時代に、取り戻した声を手がかりにして再生の道を拓くことはできないか。説経、山伏祭文、貝祭文、説経祭文、瞽女唄、浄瑠璃、浪曲、パンソリ…、「語り」の声に耳澄まし、失われた声を追い、名残の声に引かれて、足尾銅山、水俣、八重山諸島、済州島をゆく、来るべき「声」の場、そして反旗を翻す詩の可能性を眼差して。

目次

第1部 語り(この世の物語は命の記憶をつなぐためにある;「説経」と「祭文」―千年の時間の流れを早送り;なぜ「瞽女」は消えたのか?;浪曲!解放奴隷の魂はビヨーンと震える;なもあみだんぶーさんせうだゆう外伝)
第2部 祈り(語りつぐ声、歌いつがれる祈り―近代的な私たちが忘れて生きているもの;反旗を翻す歌;滅びゆく水の世―足尾鉱毒事件の跡を訪ねて渡良瀬川源流、松木渓谷;来たるべきアナキズム―近代を潜り抜けた「アニミズム」と「異人」をめぐって;旅するカタリとじょろり;「ひとり」たちのための祈り)

著者等紹介

姜信子[カンシンジャ]
1961年横浜生まれ。作家。路傍の声に耳傾けて読む書く歌う旅をする日々を重ねてきた。近年は「口先案内人」と称して、歌や語りの芸能者と共に小さな「語りの場/声が解き放たれる乱場」を開く試みも。『生きとし生ける空白の物語』(港の人)『声 千年先に届くほどに』『現代説経集』(ぷねうま舎)『平成山椒大夫 あんじゅあんじゅさまよい安寿』(せりか書房)『はじまれ、ふたたび』(新泉社)『忘却の野に春を想う』(山内明美との共著 白水社)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やいっち

67
12日(日)の未明に読了。3月11日の読了を目指していたのだが、ま、11日の夜半過ぎなのでギリギリ間に合った? 表題にあるように、祈りの書でありその意味での語りの書なのである。過日、「本書のテーマもだが、なんと云っても表紙の斎藤真一の絵の力が手にした上での動機になっている」と日記に書いた。2023/03/12

松本直哉

25
「十五円五十銭」をちゃんと発音できないというだけで処刑してきたのならば日本語は「死臭漂う言葉」であるという苦い洞察のあとでは日本語を捨てたいとさえ思うが、著者はむしろ、死んでいった異人(まれびと)の言葉、他者の言葉をふたたびよみがえらせて、語り、祈りつづける。足尾の、水俣の、在日の、福島の声、草木や鳥獣の声、抑圧する近代が、耳を傾けようとしてこなかった声を復元するとき、小さな神々は復活し、世界はふたたび複数的になるだろう。樹の幹が死んだ細胞でできているように、我らの生もまた無数の死者によって支えられている2024/06/05

林克也

5
G7という茶番劇が始まった日に読んだ。姜さん、学習院でこんなゼミしたんだ。学生の反応、どうだったのか? 明日、茶番劇をさらに盛大するための燃料が注入される。そして「国家」が貪欲に我々の税金、つまり命を貪る。しゃぶり尽され、それでも気づかず能天気に死んでいく人は幸せだろうが、私は嫌だ。こうして本を読んで姜さんに元気づけられても、突っ張って生きる気力はなかなか湧いてこない。私の命が尽きる前に壊滅するニッポンを見ることになるのだろうなぁ、そしてその渦に巻き込まれて死んでいくのだろうなぁ、と思う茶番劇の夜。2023/05/20

宮崎太郎(たろう屋)

2
作者の声と歌を聞きながら長い旅を一緒に歩んでいるかのような読書でした。千年の歴史とともに、体は丹後、済州、水俣、足尾と旅をしながら、この土地の下にある長い水脈を辿ったように思います。2023/04/19

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