出版社内容情報
2020年1月、オックスフォード大学の片隅でこのワクチンの開発を始めた時、サラとキャサリンはただ、自分たちの技術でいかに速くワクチンを開発できるかを示そうとしていた。しかし感染者の急増に直面すると、予算の目処が立たないまま、自身のキャリアを危うくしかねないことを承知の上で、治験と量産の方法を模索し始める。
そして、一般的な冷蔵設備で輸送・保管でき、途上国も含めて世界中で接種可能なワクチンが誕生した。量産を請け負ったアストラゼネカ社は、パンデミック中は非営利でワクチンを供給することに合意し、このワクチンは、治験開始からの1年間に172の国々に届けられた。「アストラゼネカ社のワクチンは、ほぼ間違いなく、他のどのワクチンよりも多くの命を救っている(エコノミスト誌、2021年12月16日)」。
「多様な企業が多様な国で多様な技術を用いて多様なワクチンを製造することが、2021年にワクチンを必要とするすべての人にワクチンを届ける最善の道だった」。必ず来る次の感染症には、どう備えるべきなのか。必読の書。
内容説明
2020年1月、オックスフォード大学の片隅でこのワクチンの開発を始めた時、サラとキャサリンはただ、自分たちの技術でいかに速くワクチンを開発できるかを示そうと考えていた。しかし感染者の急増に直面すると、予算の目処が立たないまま、自身のキャリアを危うくしかねないことを承知の上で、治験と量産の方法を模索し始める。そして、一般的な冷蔵設備で輸送・保管でき、途上国も含めて世界中で接種可能なワクチンが誕生した。量産を請け負ったアストラゼネカ社は、パンデミック中は非営利でワクチンを供給することに合意し、このワクチンは治験開始からの1年間に172の国々に届けられた。「多様な企業が多様な国で多様な技術を用いて多様なワクチンを製造することが、2021年にワクチンを必要とするすべての人にワクチンを届ける最善の道だった」。では、必ず来る次の感染症にはどう備えるべきなのか。必読の書。
目次
「何が入ってるかなんて分からない」
私たちがワクチンをつくった
感染症X
ワクチンを設計する
カネ、カネ、カネ
ワクチンをつくる
量産化への道
慎重に急げ
治験
王子と反ワクチン派
ヴォーグ
待つ
使用許可とその後
感染症Y:次の流行に向けて
次章
著者等紹介
ギルバート,サラ[ギルバート,サラ] [Gilbert,Sarah]
オックスフォード大学ジェンナー研究所教授、同大学クライストチャーチカレッジ上席研究員。専門はワクチン学。25年に渡りワクチンの設計と初期段階の開発に携わり、アウトリーチ活動にも従事している。2020年1月から、オックスフォード大学でのプロジェクトリーダーとしてオックスフォード・アストラゼネカワクチンの開発を主導。2021年にデイムの称号を受勲
グリーン,キャサリン[グリーン,キャサリン] [Green,Catherine]
オックスフォード大学准教授、同大学ナフィールド医学部臨床バイオ製薬施設(CBF)施設長、同大学エクスターカレッジ上席研究員、人類遺伝学ウェルカムセンター染色体ダイナミクスグループリーダー。専門は染色体ダイナミクス。治験用ワクチン開発の専門家として、オックスフォード・アストラゼネカワクチンの製造、臨床試験に参画。2021年に大英帝国勲章を授与された
黒川耕大[クロカワコウタ]
翻訳家。金沢大学理学部地球学科卒業、同大学自然科学研究科生命・地球学専攻修了。古生物学・地質学を学ぶ。ナショナルジオグラフィックチャンネルなどの映像翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。