出版社内容情報
20世紀における古代ギリシャ・ローマ史学の最高峰の一人にして、史学史(歴史学の歴史学)の泰斗。歴史家カルロ・ギンズブルグの師であり、また政治思想史家ジョン・ポーコックをはじめとして後の研究者に決定的影響を与えた。この高名なアルナルド・モミッリャーノの著作は、しかし一見平易に書かれながら、高度に複雑な思考に立ち、背後にある広大な知的世界の理解を要するために、今日までほとんど日本語訳がなかった。
ここにこの上ない訳者を得て、モミッリャーノの精髄を一書に編む。編者=訳者は長年モミッリャーノを深く読み込み自身の学問の基盤としてきた。史学史を主題に、精選9論文。いずれも初訳。随所に周到な訳註を脚註として付す。巻末に解説。
内容説明
史学史=“歴史学を歴史学すること”に主題を絞り精選9篇いずれも初訳。周到な訳註と解説。歴史家ギンズブルグや政治思想史家ポーコックをはじめ後の世代に決定的影響を与えた碩学の精髄。
目次
1 Hekataiosの合理主義
2 歴史叙述の在り方に関する諸議論の歴史における、Herodotosの位置づけ
3 口頭伝承に基づく歴史学と文書史料に基づく歴史学―近代歴史学の起源に関する一般的考察
4 ギリシャ・ローマ史学とアンティクアリアニズム―恩師G.De Sanctisの80歳記念のために
5 Gibbonが歴史学の方法発展に寄与した点
6 Perizonius、Niebuhr、およびアルカイック期ローマ伝承の性格について
7 G.C.Lewis、Niebuhr、そして史料批判
8 Timaios、Fabius Pictor、Servius Tulliusの「最初のcensus」
9 patrici/plebs二元構造に関する考察
著者等紹介
モミッリャーノ,アルナルド[モミッリャーノ,アルナルド] [Momigliano,Arnaldo]
1908‐87。歴史学者。20世紀における古代ギリシャ・ローマ史学の最高峰の一人であり、同時に史学史(歴史学の歴史学)の泰斗。イタリア、ピエモンテに生まれる。トリノ大学でGaetano de Sanctisのもとにギリシャ・ローマ史を専攻。1936年トリノ大学古代ローマ史教授。38年、反ユダヤ法により職を追われ、イギリスへ亡命。オックスフォード大学で教え、その後51‐75年ロンドン大学教授。シカゴ大学でも定期的に講じ、ピサ高等師範学校でも教えた
木庭顕[コバアキラ]
歴史学者。1951年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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