刑務所の精神科医―治療と刑罰のあいだで考えたこと

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刑務所の精神科医―治療と刑罰のあいだで考えたこと

  • 野村 俊明【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 212p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622090373
  • NDC分類 326.54
  • Cコード C0036

出版社内容情報

〈私には、非行少年少女や受刑者の多くが人生の偶然や不運に翻弄されているように見えた。そして、人生のほんのわずかな何かが変わっていれば、自分も少年院に入って反対側の椅子に座っていたかもしれないと感じていた〉
刑務所や少年院などの受刑者・被収容者の中には、精神障害が理由となって法を犯した者もいれば、矯正施設という特殊な状況下で精神障害を発症する者もいる。しかし、受刑者たちの治療の前には、つねに法の「平等主義」が立ちはだかってきた。
親の顔も知らずに育った青年。身寄りもなく、万引きを繰り返して刑務所と外の世界を行き来する老人。重度の精神障害のため会話もままならず、裁判すらできずに拘置所に収容されつづける男性――。著者は精神科医として、矯正施設でありとあらゆる人生を見てきた。
高い塀の向こうで、心の病いを抱えた人はどう暮らし、その人たちを日夜支える人々は何を思うのか。私たちが暮らす社会から隔絶された、もうひとつの医療現場を描くエッセイ。

内容説明

法を犯した者には、適切な医療を受ける権利もないのだろうか?長らく矯正施設で治療に携わってきた精神科医が描く、塀の向こう側の、もうひとつの医療現場。

目次

刑務所医者事始め
虐待が奪いゆくもの
矯正施設で見た家族のかたち
保護室で聞いた除夜の鐘
精神鑑定は精神医学の華なのか
不注意と落ち着きのなさと寛容さと
発達障害は何をもたらしたか
高齢者の病いと罪と
フィンランドの刑務所
往診が教えてくれること
矯正施設における精神療法

著者等紹介

野村俊明[ノムラトシアキ]
1954年生まれ。日本医科大学名誉教授。精神科医。東京大学文学部卒業。同大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程満期退学。日本医科大学卒業。日本医科大学附属第一病院、複数の矯正施設等への勤務を経て日本医科大学医療心理学教室教授。2020年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

133
刑務所の受刑者について、一般人は「犯罪者だから当然」というところで思考停止している。しかし少年院や刑務所で精神科医として働いてきた著者は、罪を犯した者の多くが想像を絶する過去や障害を抱えて苦しんでいる事情を明らかにする。罪は罪として罰するのは当然だが、その罪を犯すに至ったのかは単純な善悪論で判断できない実態は人間の弱さ愚かさを思い知らされる。治療を必要としながら建前を遵守する法に阻まれる姿は、法による犯罪ではないかとすら思える。人の造った制度は不完全だが、不完全さを少しでも是正する努力を放棄していないか。2022/01/21

よしたけ

60
刑務所勤務に従事した精神科医によるエッセイ。受刑者達の回顧が単純に興味深い。拘置所で向精神剤に依存するも刑務所移動時にこれを断つ受刑者、釈放のない死刑囚に対峙する難しさ、認知症発症も刑執行停止得られない受刑者(刑執行は裁判所⇔なぜか停止は検察)、心神喪失得ようと詐病する被疑者(心神喪失判断は犯行時だが演じ続ける)、刑務所意義:日本=刑罰⇔北欧=社会復帰、手に負えない息子を縛り付けるも虐待意識無い両親、殺人=悪の判断軸持たない受刑者治療、摂食障害の万引きへの発展事例、強制矯正より内省による自己矯正必要、等。2023/07/03

くさてる

41
刑務所や少年院などの矯正施設で精神科医として働き続けた著者によるエッセイ。いくらでもドラマチックに描くことは可能だったエピソードでも淡々と穏やかな筆致で描く姿勢は、そのまま医師としての冷静さを感じさせて好感が持てた。現場にい続けた著者が、まずは彼らの生活史や生活の安定、福祉の視点を持っているのもリアル。矯正施設での医療の限界と刑罰の関係性はとても複雑で簡単に答えが出せるようなものではない。それでも犯罪者の処遇に真に必要なものは?を考えるのに良い一冊でした。2022/07/26

J D

38
 エッセイ風に書かれているので読みやすい。刑務所、少年院における治療の難しさや被収容者との医師の視点での関わり方など興味深く読めた。その中で少年院や刑務所で面接に関する箇所でヤスパースの言葉「精神療法の根本は、どれほど異常な、どれほど不快な人間に対しても忍耐をすることにある」を引用しているところ。この言葉を知っただけでも読む価値はあった。なかなか、示唆に富む本だった。2022/06/03

Cambel

37
本書の前半は『ケーキの切れない非行少年たち』と共通する記載、後半は被収容者が高齢化して認知症を発症しているのに治療がままならない問題が述べられていた。更に海外の開放型の刑務所の例も紹介されていた。刑務所以外の勤務先での経験も書かれていて、精神医療は医学の他の分野よりも、科学以外の背景、たとえば、世論や文化、個人の生活史など広くが関わり、科学の進歩以外にも影響を強く受ける分野だと感じた。そんな中で諦めずに臨床や研究に取り組んでくれる精神科医に尊敬を感じずにはいられない。2022/08/07

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