アウグスティヌスの愛の概念 (新装版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622090229
  • NDC分類 132.1
  • Cコード C1010

内容説明

ヤスパースの指導と、ハイデガーの影響のもとに書かれたこの博士論文は、ナチスの政権掌握によって亡命を余儀なくされたアーレントが、つねに携え、長い年月をかけて手を加えつづけた一冊である。このデビュー作のなかには、成熟期の政治哲学にみられるものがすでに胚胎し、のちの思想的展開の豊かな基盤ともなっていることにまず驚かされる。政治的・道義的に急速な転換をみた1920年代のドイツで、アーレントはアウグスティヌスという哲学史上・神学史上の巨人と、愛の概念について、社会のきずなの存在論的根拠について、さまざまな角度から対論を試みている。共同性の存在論を問うことで、自己と隣人と世界に対する、みずからの魂の位置づけを探求するかのように。1929年にドイツで刊行された初版本を底本とし、のちに本人の手で加えられた注釈や修正をいかした英語版についても言及した、訳者による詳細な解説に加えて、解説「アーレント政治思想の展開と著作紹介」を付す。

目次

第1章 「欲求としての愛」Amor qua appetitus(「欲求」appetitusの基本構造;「愛」caritasと「欲望」cupiditas;「秩序づけられた愛」Ordinata dilectio)
第2章 「創造者」Creatorと「被造者」Creatura(「被造者」の起源Ursprungとしての「創造者」;「愛」caritasと「欲望」cupiditas;「隣人愛」Dilectio proximi)
第3章 「社会生活」Vita socialis

著者等紹介

アーレント,ハンナ[アーレント,ハンナ] [Arendt,Hannah]
1906‐1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュースクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される

千葉眞[チバシン]
1949年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程(政治思想)修了後、プリンストン神学大学(Ph.D.政治倫理学)。現在、国際基督教大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Go Extreme

1
アウグスティヌスの哲学の多様性: 異なる思想系列が並存ー解釈の難しさの一因で 時には矛盾するように見える≒思想の魅力 神学的教義の影響: 老年期・神学上の教義の持つ拘束が強化→思想に与える影響 人生の決定的展開: 人生における重要な出来事→思想の明白な転換 思想がどのように変化したかを理解 愛の問題: 自己愛と隣人愛の関係性 愛の客観性ー他者との関係性 創造者と被造者: アウグスティヌスの思想の中心的なテーマ・愛を通じて理解 社会生活と隣人愛: 隣人愛の概念ー人間の相互依存性 信仰者にとっての隣人の有意性2025/01/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17855541
  • ご注意事項

最近チェックした商品