出版社内容情報
「家をつくることは、小さな世界をつくることである。
ひとつの世界をつくることは、
第一に人のこの世界に対する態度によって決まる。」
"建築界のノーベル賞"といわれるプリツカー賞を中国人としてはじめて受賞した建築家、王?(ワン・シュウ)。
急速な都市化の時代の到来を前に、建築家は「隠遁」を選び、中国の伝統文化に根ざした建築のあり方を思考した。
〈中国美術学院象山キャンパス〉〈水岸山居〉〈寧波博物館〉等の建築作品の設計コンセプトはじめ、その背景にある思想、都市・景観論から自身のライフヒストリーまで、豊潤な世界観が語られる。
内容説明
家をつくることは、小さな世界をつくることである。ひとつの世界をつくることは、第一に人のこの世界に対する態度によって決まる。歴史的空間の破壊と急速な都市化の時代の到来を前に、建築家は「隠遁」を選び、中国の伝統文化に根ざした建築のあり方を思考した。2012年に中国初のプリツカー賞を受賞した建築家の世界観。
目次
自序 素朴を家となす
意識(園林をつくるコと、人を育てること;自然形態の叙事と幾何学;虚構の都市に向かって;「空間」が立ち現れるとき;営造についての瑣記;循環的建造の詩学―自然のような世界の構築に向けて;対岸の山を訪ねて―豊かな差異性を集合する建築の類型学;断面からの視野―上海万博滕頭案例館について;かつて貶められた世界が再び立ち現れるために;樹石の世界へ)
言語(中国美術学院象山キャンパス;寧波美術館―その場所に立つことで見えるもの;中山路―一本の街道の復興と一つの都市の復興)
対話(反逆の道程;別の世界の縁に触れる;精神の山水;自然に還る道;問答録 人ひとりにはどれくらいの大きさの家が必要か?)
あの日
著者等紹介
王〓[ワンシュウ]
1963年中国新疆ウイグル自治区ウルムチ生まれ。中国美術学院建築芸術学院院長。南京工学院(現・東南大学)修了後、浙江美術学院(現・中国美術学院)に勤務。2000年に同済大学で博士号取得後、中国美術学院教授に就任、2007年より現職。東南大学、同済大学でも教鞭を執るほか、ハーバード大学大学院デザイン学部丹下健三記念客員教授(2011)、香港大学、マサチューセッツ工科大学客員教授も務める。1997年、杭州で、妻の陸文宇とともにアマチュア・アーキテクチュア・スタジオ(業余建築工作室)を設立。中国建設工程魯班奨(2009)、エーリッヒ・シェリング建築賞(2010)、フランス建築アカデミーゴールドメダル(2011)、プリツカー賞(2012)など受賞多数
市川紘司[イチカワコウジ]
1985年東京都生まれ。東北大学大学院工学研究科助教。桑沢デザイン研究所非常勤講師。専門はアジアの建築都市史。博士(工学)。東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手、明治大学理工学部建築学科助教を経て現職。2013~2015年に清華大学建築学院に中国政府奨学金留学生(高級進修生)として留学
鈴木将久[スズキマサヒサ]
1967年生まれ。現在、東京大学人文社会系研究科教授。専門は中国近現代文学
松本康隆[マツモトヤスタカ]
1975年生まれ、南京工業大学建築学院特聘副教授。建築史専攻、博士学位論文「近代における茶室創作の動向について―三代木津宗詮・小林一三・笛吹嘉一郎の作風を通して」(京都工芸繊維大学、2006)。学位取得後、数寄屋の建築と庭に対する中国庭園の影響の研究を開始、2011年に日本語教師として渡中、東南大学建築学院ポストドクターを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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