回復まで (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088806
  • NDC分類 935
  • Cコード C0098

出版社内容情報

66歳の1年間(1978-79)は、サートンにはつらい年だった。パートナーとの別離、小説『総決算の時』への悪意ある酷評、乳がんの手術、ふっきれない鬱状態。しかし、「惜しみなく与える」友人たちがいて、小さな命にみちた静謐な自然があり、読書と、そして愛読者たちの手紙に支えられて、彼女は「あるがままの自分」を受け入れることを学ぶ。そして孤独を深めながら、ゆっくりと回復していく。

『独り居の日記』『海辺の家』につづくこの3冊目の日記は、著者みずからが生前、邦訳を希望した一冊だ。

内容説明

66歳から67歳にかけての1年間(1978‐79)は、サートンにはつらい年だった。パートナーとの別離、小説『総決算の時』への悪意ある酷評、乳がんの手術、ふっきれない鬱状態。しかし、「惜しみなく与える」友人たちがいて、小さな命にみちた静謐な自然があり、読書と、愛読者たちの手紙に支えられて、彼女は「あるがままの自分」を受け入れることを学ぶ。そして孤独を深めながら、ゆっくりと回復していく。58歳時の『独り居の日記』に始まり、『70歳の日記』『74歳の日記』『82歳の日記』へと連なるなかで、本書は、自らを「回復させられるかどうか、やってみる」ために、と冒頭で決意し、再開した日記である。

著者等紹介

サートン,メイ[サートン,メイ] [Sarton,May]
1912‐1995。ベルギーに生まれる。4歳のとき父母とともにアメリカに亡命、マサチューセッツ州ケンブリッジで成人する。一時劇団を主宰するが、最初の詩集(1937)の出版以降、著述に専念。小説家・詩人・エッセイスト。日記、自伝的エッセイも多い

中村輝子[ナカムラテルコ]
北海道に生まれる。東京大学社会学科卒業後、1962年共同通信社入社。文化部記者、編集委員、論説副委員長を経て、98年退社。編著に『生の時・死の時』(1997、新聞協会賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

63
【心の整理もでき、この人生の意味と、持続していることの感覚を、今まで慣れ親しんだ方法で回復させられるかどうか、やってみる時がきた】体力が衰えると聞こえてくるもの。それは、別離や手術やスランプなど。人生の転機を迎えた著者、66歳の日記。メイ・サートン。“時”の応援を得て、本書から読み始める――。<35年前のサンタ・フェに始まり、このクリスマスで終わったジュディとの長く深い交わりを、涙よりもなにかいい形で想い起こす必要がある。わたしたちが一緒に過ごした最後のクリスマス。それは予想もしない失敗に終わった>と。⇒2023/09/27

まさかず

13
恋人の耄碌、小説への不評、自己の性の象徴たる乳房への癌。存在基盤の揺らぐ日々。苦痛をじっくり経験することからはじまり、自分の頑なさを見つめる。何に傷ついたかを知り、「傷つきやすいものにこそ力が与えられる」と記す。自然、犬と猫、読者、愛との距離、書物の共感できる言葉、繋がる人々。それらに癒される。「たくさんの手のひらに支えられている」この日記は個々の日常そのものが、そして時間を経ることによってもたらされる老いが、老いによって辿り着く安らぎが、生きようとする意志そのものが美しいものなのだと教えてくれた。 2020/06/11

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