反穀物の人類史―国家誕生のディープヒストリー

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反穀物の人類史―国家誕生のディープヒストリー

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  • サイズ 46判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088653
  • NDC分類 209.3
  • Cコード C0022

出版社内容情報

世界観を真に変革する、稀な書だ。
――A. サリヴァン(『ニューヨーク・マガジン』)

われわれの農業に偏った歴史観は、見直しを迫られるだろう。
――S. シャブロフスキー(『サイエンス』)

人類が文明と政治的秩序のために支払った大きな代償を、ずばり明らかにしている。
――W. シャイデル(『暴力と不平等の人類史』)


「ある感覚が要求してくる――わたしたちが定住し、穀物を栽培し、家畜を育てながら、現在国家とよんでいる新奇な制度によって支配される「臣民」となった経緯を知るために、深層史(ディープ・ヒストリー)を探れ、と…」
ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、作物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか? 著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる。
キーワードは動植物、人間の〈飼い馴らし〉だ。それは「動植物の遺伝子構造と形態を変えてしまった。非常に人工的な環境が生まれ、そこにダーウィン的な選択圧が働いて、新しい適応が進んだ…人類もまた狭い空間への閉じこめによって、過密状態によって、身体活動や社会組織のパターンの変化によって、飼い馴らされてきた」
最初期の国家で非エリート層にのしかかった負担とは? 国家形成における穀物の役割とは? 農業国家による強制の手法と、その脆弱さとは? 考古学、人類学などの最新成果をもとに、壮大な仮説を提示する。

内容説明

豊かな採集生活を謳歌した「野蛮人」は、いかにして古代国家に家畜化されたのか。農業革命についての常識を覆す、『Economist』誌ベスト歴史書2019。

目次

序章 ほころびだらけの物語―わたしの知らなかったこと
1 火と植物と動物と…そしてわたしたちの飼い馴らし
2 世界の景観修正―ドムス複合体
3 動物原性感染症―病理学のパーフェクトストーム
4 初期国家の農業生態系
5 人口の管理―束縛と戦争
6 初期国家の脆弱さ―分解としての崩壊
7 野蛮人の黄金時代

著者等紹介

スコット,ジェームズ・C.[スコット,ジェームズC.] [Scott,James C.]
1936年生まれ。イェール大学政治学部・人類学部教授。農村研究プログラム主宰。全米芸術科学アカデミーのフェローであり、自宅で農業、養蜂も営む。東南アジアをフィールドに、地主や国家の権力に対する農民の日常的抵抗論を学問的に展開した。ウィリアムズ大学を卒業後、1967年にイェール大学より政治学の博士号を取得。ウィスコンシン大学マディソン校政治学部助教授を経て、1976年より現職。第21回(2010年)福岡アジア文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

100
なかなか手強い本だった。が、「万物の黎明」にて参照(p.489)されるほどの本。 「ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、作物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか?」…それは単に国家の成立が難産だったからに過ぎないのではないという。 「著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる」。 2024/03/01

ばたやん@かみがた

95
我々が教室で初めて「農業の始まり」を習った内容はおおよそ次の様なものではないでしょうか。「穀物に成りうる作物、家畜に成りうる動物を発見して農業が始まり、それまでの獲物を求めて放浪することを人々は止め定住化した。」と。本書はそれらが時代遅れで真っ向から否定されることを近時の研究成果を上げて示します。農耕開始前から既に定住していたことを示す遺跡は幾らでもあること、(1/5)2020/10/11

翔亀

60
信越や東北の縄文遺跡を訪ねるといつも、こんなに食物に恵まれていてこんなに自由だったのに、何故好き好んでめんどくさい稲作を始め国家をつくったのだろうと素朴な疑問を感じていた。定住と稲作(広く穀物農耕)、そのための灌漑の必要が国家を形成し文明を生んだ、そしてその魅力が人々を引き付けた、というのが世界史の常識だ。だから早くから定住し栽培農業をはじめた縄文だけが特殊なのかと思っていた(本書でも縄文は世界最初の定住コミュニティとの記述はある)。本書はこの世界史の常識自体が誤りであることを主張し、私の疑問は氷解↓2020/10/21

さすらいの雑魚

51
文明人とは生成途上の家畜である!と喝破した書で、国家に穀物生産を強要され都市の城壁という畜舎で家畜化される人類と穀物生産を拒否し都市を脱走して辺境の野蛮人たるを選ぶ人々の抗争を活写した書で、家畜化された穀物生産複合体の所有権を奪い合う初期国家のエリートと最強の野蛮人たる遊牧騎馬民族という闇の双生児の激烈な闘争と隠微な共謀の世界史を描く書。最新の考古学と生物学と歴史学を総動員しヤンガードリアス期後の定住化から最初期国家の成立にいたる歴史の謎に挑んだ意欲作。炭水化物抜きダイエットの副読本と違うからご注意を😁2021/08/14

おさむ

43
ハラリのサピエンス全史で印象的だったのは、農耕を始めたことで人類は農作物の「奴隷」になったとする解釈。本著はそれに通じる。穀物栽培と定住の開始と国家の始まりの間にある4000年の空白に着目。中央集権的な初期国家とは別に緩やかな平等主義的な湿地社会が存在したのだと推察する。そして植物も家畜も人間に「飼い慣らされていく」につれて、幼形成熟が進む。人間も感染症やストレスで死亡率が高まり、逃げ出す人が増えて国家は崩壊する。こんな紆余曲折を経て国家は生まれた。遊牧民の隆盛や現代中東のISの存在を考えると(続く)2021/01/09

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