出版社内容情報
「物音ひとつしない静けさに被われることがある。何かを読み忘れていないか。そう思うのは、そんなときだ。書棚に置いたまま、まだ読んでいない書物が多数ある。また、書物のなかに含まれる作品のすべてを読むわけではないので、そこにも読まないものがあって、新雪のように降りつもる。そのことがこれまで以上に気になりはじめた。ある年齢を過ぎると、知らないまま行き過ぎることを惜しむ気持ちが高まるのだろうか。」(本書「異同」より)
これまで多くの読者と高い評価に支えられてきた散文集シリーズ。『忘れられる過去』(講談社エッセイ賞)、『過去をもつ人』(毎日出版文化賞書評賞)につらなる本書もまた、ぶれない著者の発見と指摘に、読む者は胸を突かれ、思念の方位を示される。そのありがたみは変わらない。
風景の時間、ゴーリキーの少女、名作の表情、制作のことば、川上未映子の詩、西鶴の奇談、テレビのなかの名作、など近作エッセイ45編に書き下ろしを加えた。
内容説明
これまで多くの読者と高い評価に支えられてきた散文集シリーズ。『忘れられる過去』(講談社エッセイ賞)、『過去をもつ人』(毎日出版文化賞書評賞)につらなる本書もまた、ぶれない著者の発見と指摘に、読む者は胸を突かれ、思念の方位を示される。そのありがたみは変わらない。風景の時間、ゴーリキーの少女、名作の表情、制作のことば、川上未映子の詩、西鶴の奇談、テレビのなかの名作、など近作エッセイ45編に書き下ろしを加えた。
目次
1(椅子と世界;風景の時間;美の要点 ほか)
2(生原稿;制作のことば;風景の影 ほか)
3(西鶴の奇談;与謝野晶子の少女時代;第一印象の文学 ほか)
著者等紹介
荒川洋治[アラカワヨウジ]
現代詩作家。1949年4月18日、福井県三国町生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業。1980年より著作に専念。1996年より肩書を、現代詩作家(みずからの造語)とする。詩集に『水駅』(書紀書林・第26回H氏賞)、『渡世』(筑摩書房・第28回高見順賞)、『空中の茱萸』(思潮社・第51回読売文学賞)、『心理』(みすず書房・第13回萩原朔太郎賞)、『北山十八間戸』(気争社・第8回鮎川信夫賞)、評論・エッセイ集に『忘れられる過去』(みすず書房・第20回講談社エッセイ賞)、『文芸時評という感想』(四月社・第5回小林秀雄賞)、『過去をもつ人』(みすず書房・第70回毎日出版文化賞書評賞)など。2019年、恩賜賞・日本芸術院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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