マツタケ―不確定な時代を生きる術

個数:

マツタケ―不確定な時代を生きる術

  • ウェブストアに6冊在庫がございます。(2025年06月03日 04時03分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 479p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088318
  • NDC分類 657.82
  • Cコード C0010

出版社内容情報

マツタケをアクターとして、人間と人間以外のものの関係性、種間の絡まりあいをつぶさに論じ、数々の賞にかがやいたマルチスピーシーズ民族誌の成果を、ここにおくる。
日本・アメリカ・中国などの共同研究者とのフィールドワークを通して、マツタケの発生から採取、販売・貿易、日本人の食に供されるまでの過程に、著者は多くを観察し、学んでゆく。森林伐採、景観破壊、戦争による東南アジア難民、里山再生、コモディティ・チェーンとサルベージを通じた蓄積など、資本主義がもたらした瓦解からいかに非資本主義的様式が生まれ、両者が絡まりあいながら、人間と人間以外のものが種を超えて共生しつつ世界を制作しているのか。コモンズの可能性や学問研究のあり方までを射程に入れ、人間中心主義を相対化した、鮮やかな人類学の書。

内容説明

マツタケをアクターに、資本主義の破壊的現実を背景に、人間と人間以外のものの絡まりあいと関係性の諸相を縦横に描き数々の賞に輝いた、鮮かな人類学研究。

目次

第1部 残されたもの(気づく術;染めあう;スケールにまつわる諸問題)
第2部 進歩にかわって―サルベージ・アキュミュレーション(周縁を活かす;オレゴン州オープンチケット村;国家におこったこと―ふたとおりのアジア系アメリカ人;ドルと円のはざま;贈り物・商品・贈り物;サルベージ・リズム―攪乱下のビジネス)
第3部 撹乱―意図しえぬ設計(森のいぶき;歴史;セレンディピティ;残骸;科学と翻訳;飛びまわる胞子)
第4部 事態のまっただなかで(まつたけ十字軍―マツタケの応答を待ちながら;みんなのもの;結末に抗って―旅すがらに出会った人びと)

著者等紹介

チン,アナ[チン,アナ] [Tsing,Anna Lowenhaupt]
カリフォルニア大学サンタクルス校文化人類学科教授。エール大学を卒業後、スタンフォード大学で文化人類学の博士号を取得。フェミニズム研究と環境人類学を先導する世界的権威。おもにインドネシア共和国・南カリマンタン州でフィールドワークをおこない、森林伐採問題の社会経済的背景の重層性をローカルかつグローバルな文脈からあきらかにしてきた

赤嶺淳[アカミネジュン]
一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は東南アジア地域研究・食生活誌学。ナマコ類と鯨類を中心に野生生物の管理と利用(消費)の変容過程をローカルな文脈とグローバルな文脈の絡まりあいに注目し、あきらかにしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

70
みすず書房フェアにて発掘。やや大部だが中身が濃そう。実際、ユニークな内容だった。単なるマツタケについての蘊蓄を語るのじゃなく、マツタケをキーに「不確定な時代を生きる術」を語る。2024/01/24

榊原 香織

69
マツタケは不確定な存在である  マツタケの学名はちょっと前まで”吐き気を催させるようなキシメジ”という意味だったそうで、中国系アメリカ人の著者も、ドリアンと比べてる。 経済人類学的マツタケ考 やや難。 昔マツタケ山持ってる友達が山ほど持ってきたのをすき焼きで食べたことある ありがたみナイw2022/12/09

sayan

36
「いまこそ、マツタケの出番である」と、著者は宣言する。マツタケに着目すれば攪乱された環境(=今の私たちが住む環境)下で共存する可能性が思考できる、と。資本主義に対する批評だが、人新世を踏まえ、コモンズを下地にしたコミュニズム議論と一線を介す。著者はマツタケのサプライ・チェーンに注目し批評する。特に資本主義目録にあった「規格・価値(評価)」付けに対して切り込む学際的な議論が非常に魅力的。そして、潜在的コモンズの活性化を通じ、資本主義に破壊された場における生の可能性へと誘う結論は情緒的だが何か心地よさが残る。2021/06/30

yyrn

29
不思議な本。マツタケの生態系が分かるかと手に取ったが、確かにその特殊性にも触れているが、主眼は人工栽培ができない=不安定な収穫しかあげられないマツタケについて、それでも多くの国で人々が関わっていること、それが偏愛する国民・日本人がいることで引き起こされている事象であることを(自然環境や経済面などにも言及しつつ)文化人類学的に掘り下げている本で、婉曲多彩?な表現に時々煙に巻かれるが、なんか面白くて読み進んでしまう本。この不思議さを十分に伝えきれず歯がゆいが、興味を覚えた方は他の読メ感想も読んでみてください。2020/02/21

アナクマ

27
なぜマツタケ? ざっと見渡すと、採取者の声あり、文化史あり、菌類科学あり、コモンズあり、〈森と人・資本主義〉考ありの日米中 共同研究。◉まずは序文_「すべてが不安定(なこの世界)」「相互作用と撹乱…を取り入れた発想」「見捨てられた富の場から、あらたな生命が生みだされること。廃墟における生活」…全貌が見えるような見えないような。つまりマツタケ・マガジンではなく、それを通じた社会科学・哲学紀行。慌てて咀嚼しなくていい、手元に残して深く交流すべき一冊とみた。これは、続く。2023/09/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14330430
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品