マツタケ―不確定な時代を生きる術

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マツタケ―不確定な時代を生きる術

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  • サイズ 46判/ページ数 479p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088318
  • NDC分類 657.82
  • Cコード C0010

出版社内容情報

マツタケをアクターとして、人間と人間以外のものの関係性、種間の絡まりあいをつぶさに論じ、数々の賞にかがやいたマルチスピーシーズ民族誌の成果を、ここにおくる。
日本・アメリカ・中国などの共同研究者とのフィールドワークを通して、マツタケの発生から採取、販売・貿易、日本人の食に供されるまでの過程に、著者は多くを観察し、学んでゆく。森林伐採、景観破壊、戦争による東南アジア難民、里山再生、コモディティ・チェーンとサルベージを通じた蓄積など、資本主義がもたらした瓦解からいかに非資本主義的様式が生まれ、両者が絡まりあいながら、人間と人間以外のものが種を超えて共生しつつ世界を制作しているのか。コモンズの可能性や学問研究のあり方までを射程に入れ、人間中心主義を相対化した、鮮やかな人類学の書。

内容説明

マツタケをアクターに、資本主義の破壊的現実を背景に、人間と人間以外のものの絡まりあいと関係性の諸相を縦横に描き数々の賞に輝いた、鮮かな人類学研究。

目次

第1部 残されたもの(気づく術;染めあう;スケールにまつわる諸問題)
第2部 進歩にかわって―サルベージ・アキュミュレーション(周縁を活かす;オレゴン州オープンチケット村;国家におこったこと―ふたとおりのアジア系アメリカ人;ドルと円のはざま;贈り物・商品・贈り物;サルベージ・リズム―攪乱下のビジネス)
第3部 撹乱―意図しえぬ設計(森のいぶき;歴史;セレンディピティ;残骸;科学と翻訳;飛びまわる胞子)
第4部 事態のまっただなかで(まつたけ十字軍―マツタケの応答を待ちながら;みんなのもの;結末に抗って―旅すがらに出会った人びと)

著者等紹介

チン,アナ[チン,アナ] [Tsing,Anna Lowenhaupt]
カリフォルニア大学サンタクルス校文化人類学科教授。エール大学を卒業後、スタンフォード大学で文化人類学の博士号を取得。フェミニズム研究と環境人類学を先導する世界的権威。おもにインドネシア共和国・南カリマンタン州でフィールドワークをおこない、森林伐採問題の社会経済的背景の重層性をローカルかつグローバルな文脈からあきらかにしてきた

赤嶺淳[アカミネジュン]
一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は東南アジア地域研究・食生活誌学。ナマコ類と鯨類を中心に野生生物の管理と利用(消費)の変容過程をローカルな文脈とグローバルな文脈の絡まりあいに注目し、あきらかにしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

69
みすず書房フェアにて発掘。やや大部だが中身が濃そう。実際、ユニークな内容だった。単なるマツタケについての蘊蓄を語るのじゃなく、マツタケをキーに「不確定な時代を生きる術」を語る。2024/01/24

榊原 香織

69
マツタケは不確定な存在である  マツタケの学名はちょっと前まで”吐き気を催させるようなキシメジ”という意味だったそうで、中国系アメリカ人の著者も、ドリアンと比べてる。 経済人類学的マツタケ考 やや難。 昔マツタケ山持ってる友達が山ほど持ってきたのをすき焼きで食べたことある ありがたみナイw2022/12/09

yyrn

29
不思議な本。マツタケの生態系が分かるかと手に取ったが、確かにその特殊性にも触れているが、主眼は人工栽培ができない=不安定な収穫しかあげられないマツタケについて、それでも多くの国で人々が関わっていること、それが偏愛する国民・日本人がいることで引き起こされている事象であることを(自然環境や経済面などにも言及しつつ)文化人類学的に掘り下げている本で、婉曲多彩?な表現に時々煙に巻かれるが、なんか面白くて読み進んでしまう本。この不思議さを十分に伝えきれず歯がゆいが、興味を覚えた方は他の読メ感想も読んでみてください。2020/02/21

おっとー

19
あまりにも少ない需要、あまりにも不安定な供給。だからこそマツタケは永遠にグローバルな資本主義に絡めとられることはない。マツタケは確実な生産・採集方法のない偶然性の結晶である。そのため大企業が介入することはなく、一産地であるオレゴン州ではラオス人移民やPTSDの兵士達が「フリーダム」を求めて宝を探す。また、マツタケは自然保護の問題にも一石を投じる。日本の里山のように、適度に荒廃した環境でないとマツタケは発生しない。マツタケは需要/供給、自然を守る/破壊するといった現代的二項対立の概念をすり抜けていく。2020/01/26

オムロン

11
人新世の資本論みたいな話をするときに、コモンズの成功例だけ話してたってしょうがない。正直信用ならない。でも他人の土地で木を切るとか、そういうことはだめ。ただベリーは自由に採っていい。そういう慣習があるとして、そうであれば「間隙を縫っているコモンズ」として悲喜こもごもあれど、それも含めてコモンズおもしろ話を色々話し合える。その題材をマツタケでやってみよう。そんな感じで理解しました。これが共同研究でチン教授とは別の先生から異なるマツタケ論が出るということ。その共同研究手法がなんだか面白い。2024/01/11

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