出版社内容情報
私たちを取り巻くイメージ(図像)は本来、政治性をもっている。たとえばスーパーマーケットでは、あらゆる種類のイメージが誘惑し、買って! と指図し、驚かせ、まぶしがらせるが、広告・宣伝の背後には政治的な力にも似た命令が潜んでいる。本書は、ギリシア神話の戦闘場面を使ってアメリカ原住民の征服を描いた16世紀の銀杯、ホッブス『リヴァイアサン』の扉絵、ダヴィッド「マラーの死」、第一次世界大戦時の英国の新兵徴募ポスター、ピカソ「ゲルニカ」などの作品を解読することで、イメージ(図像)の中に権力を発揮する仕掛けが隠されていることを明らかにする。
内容説明
インターネット、CM、商品パッケージ…私たちはイメージ(図像)に取り巻かれ、その多種多様な誘惑に日々、屈服している。本書はイメージの発揮する政治的効果をめぐる論考5本を収める。イメージには権力を発揮する仕掛けが隠されている。神聖さを利用する世俗画、戦争ポスター、“ゲルニカ”。政治の言語とイメージの嘘を明かす図像学的実験。
目次
第1試論 記憶と距離―金めっきされた銀杯(アントワープ、一五三〇年頃)について
第2試論 今日ホッブズを読み返す
第3試論 ダヴィッド、マラー―芸術・政治・宗教
第4試論 「祖国はきみを必要としている」
第5試論 剣と電球―“ゲルニカ”読解のために
著者等紹介
ギンズブルグ,カルロ[ギンズブルグ,カルロ] [Ginzburg,Carlo]
歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経てピサ高等師範学校教授
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。著書、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
なおこっか
takao
渡邊利道
良羽