出版社内容情報
われわれ人間は常に「自由」を求め、自らの人生の可能性を追及したり、幸福を実現するために、二千年以上にわたって「リベラリズム」という運動を続けてきた。
本書はさまざまな思想家たち、とりわけ法哲学者・政治哲学者たちの問題提起と解決の繰り返しの歴史を概観し、改良が繰り返される社会システムの中でわれわれが享受してきた「自由」の種類を精査・分析してゆく。
民主主義という駆動系システムと法の支配という制御系システム。その二つを柱とする望ましい社会システムとは何か――野心的「リベラリズム」入門。
内容説明
二千年以上にわたりつづけてきた「リベラリズム」という運動を、私たちは後世に託しつづけられるのか?哲学者たちの議論から、これからの「自由」を考えよう。
目次
第1章 法の支配(「法の支配」の必要性;自然法の歴史;自然権と統治の正当性―ホッブズの『リヴァイアサン』;権力分立と議会政治―ロックの『統治二論』;法的保護と寛容さ―ロック、ヴォルテール、モンテスキュー)
第2章 民主主義とリベラリズム(社会を担う「自由な個人」―ルソーの社会契約論;自由な個人と「なる」ために―ヘーゲルによるルソー批判;多数派の専制がない民主主義の可能性―J・S・ミルの社会理論;二つの自由主義―バーリンの思想;リベラリズムと公共性)
第3章 正義・善・幸福(ロールズの政治的リベラリズム;ロールズへの批判―リベラリズムのその後;政治哲学としてのコミュニタリアニズム;ノージックのリバタリアニズム)
第4章 「自由」と「合理性」の限界とその先へ(潜在可能性―センのケイパビリティアプローチ;熟議の難しさ―理性の限界;よりよい自由へと誘導してあげる―リバタリアン・パターナリズム;リベラリズムと合理主義―法の「理」と、政治の「意」)
著者等紹介
中村隆文[ナカムラタカフミ]
1974年生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。千葉大学非常勤講師、鹿児島工業高等専門学校専任講師、同准教授、釧路公立大学経済学部准教授を経て、2019年4月より神奈川大学外国語学部准教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
evifrei
Masatoshi Oyu
鵐窟庵
Hayato Shimabukuro
つばな