出版社内容情報
アメリカの人種法と市民権法がニュルンベルク法を生み出した。合衆国がジェノサイド政策に与えた影響を、丹念に掘り起した画期的業績「本書の目的は、ナチスがニュルンベルク法を考案するさいにアメリカの人種法に着想を求めたという、これまで見落とされていた歴史を紐とくことだ。それにより、この歴史がナチス・ドイツについて、人種主義の近代史について、そしてとりわけこのアメリカという国について私たちに何を語るのか、それを問いかけることにある」(はじめに)
そして本書は、ナチスのニュルンベルク諸法が、市民権、およびセックスと生殖を重視していたことを指摘する。
「アメリカの人種法にはナチスから見て魅力的な面がいくつかあった。とりわけ異人種婚に重罰を科すアメリカの稀有な慣習が「ドイツ人の血と名誉を守るための法」の背景に見てとれる。いっぽう「血の一滴の掟」(ワンドロップルール)といった他の点は、あまりに過酷すぎると驚かれた」(終章)のだった。
法と歴史の狭間から、豊富な史料を駆使して、人種法における世界の「リーダー」たるアメリカ、さらにアメリカそのものに深く根付いた人種主義をあぶりだした、初めての試み。
はじめに
第1章 ナチスの国旗とナチスの市民はいかにつくられたか
最初のニュルンベルク法──ニューヨークのユダヤ人とナチスの旗
第二のニュルンベルク法──ナチスによる市民の規定
アメリカ──人種主義的移民法における世界のリーダー
アメリカの二級市民
ナチスが穂を継ぐ
公民法に向けて──1930年代前半のナチスの政策
ナチスはアメリカの二級市民に注目した
結論
第2章 ナチスの血とナチスの名誉を守る
「血の法」に向けて──街頭での対立と政権内の対立
街頭での対立──「明快な法律」を求める
政権内の対立──プロイセン覚書とアメリカの例
守旧派の法曹による抵抗──ギュルトナーとレーゼナー
1934年6月5日の会議
アメリカの法律に関するナチスの情報源
アメリカの影響を評価する
「混血児」の定義──「血の一滴の掟」とアメリカの影響の限度
終章 ナチスの目から見たアメリカ
人種主義の世界史におけるアメリカの位置づけ
ナチズムとアメリカの法文化
謝辞
索引
原注
推奨する参考文献
ジェイムズ・Q・ウィットマン[ジェイムズウィットマン]
著・文・その他
西川美樹[ニシカワミキ]
翻訳
内容説明
ナチスのニュルンベルク法を生み出したのは、人種主義のリーダー、アメリカの法制度だった。アメリカがヒトラーのジェノサイド政策に与えた影響を、広範な史料から丹念に掘り起した画期的業績。
目次
第1章 ナチスの国旗とナチスの市民はいかにつくられたか(最初のニュルンベルク法―ニューヨークのユダヤ人とナチスの旗;第二のニュルンベルク法―ナチスによる市民の規定;アメリカ―人種主義的移民法における世界のリーダー;アメリカの二級市民 ほか)
第2章 ナチスの血とナチスの名誉を守る(「血の法」に向けて―街頭での対立と政権内の対立;街頭での対立―「明快な法律」を求める;政権内の対立―プロイセン覚書とアメリカの例;守旧派の法曹による抵抗―ギュルトナーとレーゼナー ほか)
終章 ナチスの目から見たアメリカ(人種主義の世界史におけるアメリカの位置づけ;ナチズムとアメリカの法文化)
著者等紹介
ウィットマン,ジェイムズ・Q.[ウィットマン,ジェイムズQ.] [Whitman,James Q.]
イェール・ロー・スクール比較法および外国法フォード財団教授。専門は比較法、刑法、法制史。シカゴ大学で精神史のPhD.を取得。スタンフォード大学ロー・スクールで教鞭をとったのち、1994年からイェール・ロー・スクール教授
西川美樹[ニシカワミキ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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