出版社内容情報
子どもが言葉を覚える時に赤ちゃん語を忘れるように、忘却は創造の源である。流離こそが言語の本質だと明かす、言語哲学の最重要書。子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように、言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。そして、忘れることは創造の源でもある。
言語の中にはつねにもうひとつの言語の影があり、失われた言語が響いている。言語の崩壊過程に言語の本質をみたヤコブソン、失語症を考察したフロイト、複数の言語を生きたカネッティ、死んだのに語る口を描いたポー、母語についてはじめて語ったダンテなどを導きに、忘却が言語の本来もつ運動性であることが浮上する。
アガンベンの英訳者として知られ、30代で本書を著し、恐るべき知性として話題を呼んだ、ヘラー=ローゼンの主著。流離こそが言語の核心であることを明かす、言語哲学の最重要書である。
第一章 喃語の極み
第二章 感嘆詞
第三章 アレフ
第四章 消滅危惧音素
第五章 H & Co.
第六章 流離の地で
第七章 行き止まり
第八章 閾
第九章 地層
第十章 地滑り
第十一章 文献学の星
第十二章 星はまた輝く
第十三章 ニンフの蹄
第十四章 劣った動物
第十五章 アグロソストモグラフィー
第十六章 Hudba
第十七章 分裂音声学
第十八章 アブー・ヌワースの試練
第十九章 船長の教え
第二十章 詩人の楽園
第二十一章 バベルの塔
解説 ダニエル・ヘラー=ローゼンとは何者か?
訳者あとがき
原註
参考文献
索引
ダニエル・ヘラー=ローゼン[ダニエルヘラーローゼン]
著・文・その他
関口涼子[セキグチリョウコ]
翻訳
内容説明
子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように、言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。そして、忘れることは創造の源でもある。言語の中にはつねにもうひとつの言語の影があり、失われた言語が響いている。言語の崩壊過程に言語の本質をみたヤコブソン、失語症を考察したフロイト、複数の言語を生きたカネッティ、死んだのに語る口を描いたポー、母語についてはじめて語ったダンテなどを導きに、忘却こそが言語が本来もつ運動性であることが浮上する。アガンベンの英訳者として知られ、30代で本書を著し、恐るべき知性として話題を呼んだ、ヘラー=ローゼンの主著。流離こそが言語の本質だと明かす、言語哲学の最重要書である。
目次
喃語の極み
感嘆詞
アレフ
消滅危惧音素
H&Co.
流離の地で
行き止まり
閾
地層
地滑り
文献学の星
星はまた輝く
ニンフの蹄
劣った動物
アグロソストモググラフィー
Hudba
分裂音声学
アブー・ヌワースの試練
船長の教え
詩人の楽園で
バベル
著者等紹介
ヘラー=ローゼン,ダニエル[ヘラーローゼン,ダニエル] [Heller‐Roazen,Daniel]
1974年生。プリンストン大学教授。アガンベンの英訳者として知られる。仏・伊・独・西・露語、ラテン語・古典ギリシャ語・ヘブライ語・アラビア語に通じ、哲学・文学・歴史学・認知科学・言語学を鮮やかに論じる
関口涼子[セキグチリョウコ]
1970年生。作家。日・仏語で創作を行い、『陰影礼賛』の仏訳者としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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