免疫の科学論―偶然性と複雑性のゲーム

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免疫の科学論―偶然性と複雑性のゲーム

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  • サイズ B6判/ページ数 406p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086932
  • NDC分類 491.8
  • Cコード C0045

出版社内容情報

仕組みの解説を超え複雑な全体像を描く。先端科学を説くコレージュ・ド・フランス分子免疫学講座から生まれた、全く新しい免疫の学。免疫は細菌からヒトまでほぼあらゆる生物に具わり、病原体や、がんなどの内部異常に休みなく対処している。日常的に「免疫力アップ」が話題にのぼり、がんの免疫療法も普及しつつあるが、免疫はとらえがたい。特定の臓器に収まるのではなく、全身に広く深く組み込まれ、集合と離散をくり返す。実体というよりも偶然が織りなす複雑性の連鎖のようだ。免疫はよく「異物を排除する」と言われるが、実際はそれほど単純ではない。異物を敢えて完全に排除しないことで効果を発揮する場合もある。自己と非自己の境界も曖昧だ。知れば知るほど免疫の謎は深まり、だから面白い。
本書はこれまでの免疫の本とは、かなり異なる。主題はヒトの生体防御だが、第I部で免疫を進化の文脈で大きくとらえ、その働きを工学の用語である「ロバストネス」によって概念化する。第II部ではその装置を「モジュール」に分け、構造とつながりを分析的に調べてゆく。そして第III部で、ヒト免疫系の全体像を描き出す。さらに本書全体に、既存の思考枠組みを揺さぶる警句があふれている。
「自然免疫と獲得免疫は混じり合っている」「特異性の低い反応の組み合わせが、高度に特異的な認識に導く」「自己と非自己の識別は、メカニズムの多数性の産物でしかありえない」「全体の動態だけが最適化を達成することができる」「免疫系はじつは、海面に見える生理学的氷山の一角にすぎない」
打ちひしがれるほど精巧で複雑な免疫の全体像に迫るには、仕組みの理解にとどまってはならない。フランスの学問的伝統が最良のかたちで活きた、新しい免疫の学。

まえがき
はじめに

第 I 部 進化における生体防御
  第1章 進化における捕食生物と獲物
  第2章 系統樹の下部にある自然防御
  第3章 断絶――獲得免疫
  第4章 進化における獲得免疫
  第5章 生物の複雑性とその進化
  第6章 生体防御とロバストネス

第 II 部 ヒト生体防御の組織――部分が全体に向かう
  第7章 分子と分子モジュール
  第8章 分子モジュールの連鎖
  第9章 細胞と細胞モジュールの構造
  第10章 防御反応における機能モジュールのつながり
  第11章 必然だが起こりそうもない出合い
  第12章 より個別化された医療へ
 
第 III 部 ヒト生体防御の全体
  第13章 監視機能
  第14章 病原体に対する防御
  第15章 内的混乱と生体防御
  第16章 全体的な特質と機能
  第17章 生体に包含される防御
  第18章 自己と非自己の識別
  第19章 生物の論理

おわりに
訳者あとがき
原注
用語解説
索引

フィリップ・クリルスキー[フィリップクリルスキー]
著・文・その他

矢倉英隆[ヤクラヒデタカ]
翻訳

内容説明

仕組みを知るだけでは免疫はわからない。生体防御の先端科学を説くコレージュ・ド・フランス「分子免疫学講座」から生まれた、深い思索と全く新しい免疫の学。

目次

第1部 進化における生体防御(進化における捕食生物と獲物;系統樹の下部にある自然防御;断絶―獲得免疫 ほか)
第2部 ヒト生体防御の組織―部分が全体に向かう(分子と分子モジュール;分子モジュールの連鎖;細胞と細胞モジュールの構造 ほか)
第3部 ヒト生体防御の全体(監視機能;病原体に対する防御;内的混乱と生体防御 ほか)

著者等紹介

クリルスキー,フィリップ[クリルスキー,フィリップ] [Kourilsky,Philippe]
1942年生まれ。エコール・ポリテクニーク卒業、パリ大学で博士号(科学)を取得後、ながくフランス国立科学研究センター(CNRS)に勤務し研究部長を務めた。1998年にコレージュ・ド・フランス教授に就任し分子免疫学の講座を担当。2000年からはパスツール研究所所長を兼任し、フランス研究省の顧問も努めた

矢倉英隆[ヤクラヒデタカ]
1972年北海道大学医学部卒業。1978年同大学院博士課程修了(病理学)。1976年からハーバード大学ダナ・ファーバー癌研究所、スローン・ケタリング記念癌研究所、旭川医科大学を経て、2007年東京都神経科学総合研究所(現東京都医学総合研究所)免疫統御研究部門長として研究生活を終える。2009年パリ第1大学パンテオン・ソルボンヌ大学院修士課程修了(哲学)。2016年ソルボンヌ大学パリ・シテ大学院博士課程修了(科学認識論、科学・技術史)。2013年からサイファイ研究所ISHE代表。2016年からフランソワ・ラブレー大学招聘研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Iwata Kentaro

3
矢倉先生の訳書といえばこちらもおススメ。これも多田富雄先生ばりの哲学的免疫学の本。やはり学部生や医者が読むべき。2019/04/21

うつしみ

2
生体という複雑系は、予測不能な状況の中でも適切に機能し続ける堅牢性を有している。生体を乱すのは内的な変調と外部からの侵入者であり、これら内憂外患に対して炎症・抗体・細胞が相互作用し合って秩序を保とうとする仕組が免疫系である。ランダム化の仕組を内包した獲得免疫は、偶然性をうまく手懐けている。免疫細胞が認識する自己と非自己の境界は必ずしも固定的でなく、曖昧で変化するものである。常に別様の可能性へと開かれていることで生命は進化してきたのであり、柔よく剛を制すというのは正にこの様な自然の叡智を指す言葉に違いない。2023/04/27

林原誠

1
新型コロナウイルスがニュースになり、抗体が付くOR付かない、ワクチンが出来るOR出来ない、BCGは効くOR効かない、など議論沸騰しているが、本書を読んで免疫系はもの凄く複雑ということがわかった。興味深い知見に溢れ、文系でもなんとか読めるものの、同じくみすず書房の「ウイルスの意味論」を先に読んでおくと理解しやすいだろう。細菌学は日進月歩で、今世紀も非常に面白い分野。2020/06/15

ej

0
流し読み2019/06/09

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