公共図書館の冒険―未来につながるヒストリー

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公共図書館の冒険―未来につながるヒストリー

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086826
  • NDC分類 010.21
  • Cコード C0000

出版社内容情報

公共図書館は何をしてきたのか、何ができるのか。歴史的考察を中心に様々なテーマから追う、今後の図書館のための具体的なヒント。今とは違う、別の公共図書館がありえたのではないか、それが本書を生み出す母体となった研究会メンバーの共通の思いだった。近代公共図書館が欧米で成立してからまだ200年もたっていない。我が国においてある程度普及してきたのは100年程度の話だ。一般の人々や図書館関係者の間で公共図書館像の揺らぎがあっても何の不思議もない。近年の指定管理者問題や無料貸本屋論争を見ていると、そもそも公共図書館という制度は日本に根づいているのだろうか、という疑問もわいてくる。その一方で、書店や出版をテーマとする本と並んで、図書館に関する本が次々と出版されている。そこにはさまざまな背景を持つ人々の図書館に対する期待や不満、理想が込められているのだろう。残念ながらそれに対して、図書館界から、これからの新しい公共図書館像が提示されているようには思えないのである。そして、私たちが、その解決のヒントを得ようとしたのが、我が国の公共図書館史をもう一度見直してみることだった。そこに別の可能性、別の見方があったのではないだろうか。
(「まえがき」より)

〈歴史から見直す〉〈図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか〉〈本が書架に並ぶまで〉〈図書館界と出版業界のあいだ〉〈図書館で働く人々――イメージ・現実・未来〉〈貸出カウンターの内と外――オルタナティブな時空間〉〈何をしたかったのか、何ができるのか〉の全7章。

まえがき――公共図書館の「もうひとつの」可能性 (柳与志夫)

第1章 歴史から見直す (田村俊作)
1 新しい図書館・話題の図書館
2 無料貸本屋と武雄市図書館
3 図書館のはじまり
4 『格子なき図書館』
5 市民の読書施設へ
6 多様な担い手・多様な資源・多様な空間・多様な活動

第2章 図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか (小林昌樹)
1 近代「読書装置」の輸入――新聞縦覧所と書籍館の挫折
2 読書公衆の出現と図書館の増加(明治末―大正)
3 先進館の発展と多様性(昭和前期)
4 新聞・雑誌の扱い――そこで読めなかった本 雑誌のバックナンバー
5 ラインナップの標準化から画一化へ
6 戦後の画一化と、それにはまらないものたち
7 まとめ

第3章 本が書架に並ぶまで (鈴木宏宗)
1 本はそのままでは棚に並ばない
2 戦前の様子――大正末から昭和初期
3 戦後――物資が乏しい時代
4 図書館サービスの拡大――貸出と業務の外注
5 コンピュータ登場後――出版流通と情報と機械化

第4章 図書館界と出版業界のあいだ (柴野京子)
1 図書館と出版業界はいつもvs ?
2 1970年代の流通問題とジレンマ
3 本の流通、本の存在――1950年代のポテンシャル
4 越境する視点――1990年代の地域とコンピュータ、そしてデジタルシフト

第5章 図書館で働く人々――イメージ・現実・未来 (河合将彦)
1 「図書館員のイメージ」の歴史
2 「図書館員」の歴史
3 「図書館で働くべき人」の歴史

第6章 貸出カウンターの内と外――オルタナティブな時空間 (安井一徳)
1 公共図書館に対するイメージと実態
2 戦前の図書館はどう使われていたか
3 閉架・館内閲覧から開架・館外貸出へ
4 「貸出」図書館の展開
5 「貸出しカウンターモデル」を揺るがすもの
6 問題はどこにあったのか
7 オルタナティブな時空間を考えるために

終章 何をしたかったのか、何ができるのか (小田光宏)

索引
編者・執筆者紹介

柳与志夫[ヤナギヨシオ]
著・文・その他/編集

田村俊作[タムラシュンサク]
著・文・その他/編集

小林昌樹[コバヤシマサキ]
著・文・その他

鈴木宏宗[スズキヒロムネ]
著・文・その他

柴野京子[シバノキョウコ]
著・文・その他

河合将彦[カワイマサヒコ]
著・文・その他

安井一徳[ヤスイカズノリ]
著・文・その他

小田光宏[オダミツヒロ]
著・文・その他

内容説明

公共図書館は何をしてきたか、何ができるのか。装備、図書館員、貸出カウンター、出版業界など、多様なテーマから歴史を見直し、「もうひとつの」可能性を考える。

目次

第1章 歴史から見直す
第2章 図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか
第3章 本が書架に並ぶまで
第4章 図書館界と出版業界のあいだ
第5章 図書館で働く人々―イメージ・現実・未来
第6章 貸出カウンターの内と外―オルタナティブな時空間
終章 何をしたかったのか、何ができるのか

著者等紹介

柳与志夫[ヤナギヨシオ]
1954年生まれ。東京大学情報学環特任教授

田村俊作[タムラシュンサク]
1949年生まれ。慶應義塾大学名誉教授(図書館情報学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

56
読売新聞の書評を読んで。タイトルだけ読むと「図書館戦争」みたいだが、図書館の歴史を紐解きながら、図書館の抱える課題を論じているとても真摯な本。無料貸本屋と揶揄されたり、出版界からの批判を受けたりする現状。確かにベストセラーばかり増えて、消費する図書館になってしまっては困りもので、知の蓄積体として存在してほしいとは思うのだが。まー、私もその恩恵にあずかり、いっぱい本を読んでいますけど。図書館員の出てくる小説も紹介されていて、読みたくなった。早速、図書館の予約に入れてみようかな。2018/06/06

shikada

16
日本の図書館の成り立ちから現在まで、そして今後の課題を一望できる一冊。終戦後にアメリカによって再編されたころの図書館は閉架式で、館外貸出が一般的でなかったとか、図書館に小説が入るようになって民間の「貸本屋」と競合し、やがて貸本屋は衰退していったとか、現代の図書館は日野市図書館の成功をベースに設計されているとか、図書館の歴史が知れて面白い。自分自身、図書館文化に育てられたひとりだったので、本と対話するような気分で、他人事ではなく、かなり自分ごととして読めた。2019/07/27

きゅー

15
公共図書館の歴史をたんなる編年形式ではなく、独自のトピックを設け、それを歴史的に概観することを目的とした1冊。まえがきにて、「今とは違う、別の公共図書館がありえたのではないか、それが本書を生み出す母体となった研究会メンバーの共通の思いだった」とあったので、挑戦的な公共図書館批評が読めるのかと思ったが、そうではなく比較的オーソドックスな図書館史だった。トピックはいくつか掲げられているが、いわゆる「中小レポート」による館外貸出の隆盛、貸本屋批判などを中心に概観されている。2019/03/11

やまやま

13
図書館を勉強部屋として使うことに否定的な思想があり、そこで貸出というサービスが充実することで「本来の」図書館機能が取り戻されていった、という歴史の紹介があり、ただ、貸せばいいのか、という点でも再度吟味が繰り返される。本書はコロナ前に出版されているが、電子図書館のサービスが既存の貸出構造を覆していく可能性に触れている。逆説的に過去を捉えてみれば、快適な黙考空間の提供は読書をダシにしてしか作られなかったという点が図書館のアドバンテージであり、有用な社会的装置として大いに評価されていたという説はないだろうか。2021/06/12

軍縮地球市民shinshin

13
オルタナティブ図書館史研究会のメンバーが著した近代公共図書館史の読み直し。この歴史研究の目的は明らかで「あすの図書館のため」そして「利用者のため」だろうか。まぁ一応図書館史については勉強しているので、史実的にはそれほど斬新とは言えないが、視点が面白い。戦後「中小レポート」や「市民の図書館」で構築された「貸出絶対主義」の批判と受け取っても良いだろうか。TRCやTSUTAYAの指定管理者の浸透により、図書館がワーキングプアの温床になっている。図書館員の「専門性」を考えるに際しては本書は有効な「参考図書」になる2019/02/18

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