異議申し立てとしての宗教

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異議申し立てとしての宗教

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  • サイズ 46判/ページ数 458p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086628
  • NDC分類 160
  • Cコード C1010

出版社内容情報

サイードの高弟であり、文化研究に宗教(とくに改宗)を導入した人文学者の論集。世俗批評としての宗教の肯定的意義を鮮やかに説く。「〈宗教的なるもの〉とは、宗教とは異なる、世俗世界性のひとつの条件であって、宗教的というよりはむしろ世俗的な身振りである、というふうに定義しなおすことができるのではないでしょうか。〈宗教的なるもの〉が孕む多くの概念は、コミュニティ内における人間同士の関係性や、人間のみならず動物をも含んだ関係性を司るものであって、この世界における世俗的な生の様式にかかわるものなのです」。
サイードの高弟であり、文化研究/ポストコロニアル批評の領域に宗教(とくに改宗)というモメントを導入した人文学者ヴィシュワナータンの、日本語版オリジナル編集による論文集である。
ヴィシュワナータンはまず、「英文学はインドで誕生した」という新説でデビュー。そして、世俗社会による宗教の抑圧を批判的に検証し、宗教的異端がじつは世俗主義の生みの親であり、かつ批判の根拠にもなりうるというテーゼを、アンベードカル(インド独立の指導者)やラマーバーイー(フェミニズムの先駆者)による「改宗」という行為を通じて論証する。
さらに、オカルティズムや神智学など、西洋キリスト教的世俗主義とは異なる、異他的でオルタナティヴな知の系譜のうちに、世俗社会へのラディカルな批評性を読み取る。懇切な解題とインタヴューをも収録し、ユニークなヴィシュワナータンの活動の歩みが一望できる画期的な論文集。

まえがき

第一部 世俗批評を越えて
解題
第一章 サイードの遺産(レガシー)――意図と方法
第二章 〈英文学〉の制度化と表象=代理/代表(リプレゼンテーション)の問題

第二部 世俗批評としての改宗
解題
第三章 平等への改宗――不可触民解放の指導者・アンベードカル
第四章 沈黙させられる異端――キリスト教に改宗したバラモン女性・ラマーバーイー

第三部 異端批評に向けて
解題
第五章 異他的知の枠組による世俗主義の再考
第六章 日常業務としてのオカルティズム――神智学による世俗と神秘の接合
第七章 「動物は魂を持つのか?」――神智学と苦痛する身体

巻末インタヴュー
あとがき

文献表
人名索引 事項索引

ゴウリ・ヴィシュワナータン[ゴウリヴィシュワナータン]
著・文・その他

三原芳秋[ミハラヨシアキ]
編集/翻訳

田辺明生[タナベアキオ]
翻訳

常田夕美子[トキタユミコ]
翻訳

新部亨子[ニイベキョウコ]
翻訳

内容説明

「改宗とは異議申し立てがもっとも力強く表現される場面である」。宗教に世俗社会への危機的=批評的契機を読み取り、文学からオカルティズムまで縦横に論じる。

目次

第1部 世俗批評を越えて(サイードの遺産―意図と方法;“英文学”の制度化と表象=代理/代表の問題)
第2部 世俗批評としての改宗(平等への改宗―不可触民解放の指導者・アンベードカル;沈黙させられる異端―キリスト教に改宗したバラモン女性・ラマーバーイー)
第3部 異端批評に向けて(異他的知の枠組による世俗主義の再考;日常業務としてのオカルティズム―神智学による世俗と神秘の接合;「動物に魂はあるのか?」―神智学と苦痛する身体)
巻末インタヴュー

著者等紹介

ヴィシュワナータン,ゴウリ[ヴィシュワナータン,ゴウリ] [Viswanathan,Gauri]
コロンビア大学教授。インド・コルカタ生まれ。デリー大学で修士課程を修了・同大学で教職についた後、渡米しコロンビア大学でエドワード・W・サイードに師事。コロンビア大学提出の博士論文をもとにした処女作Masks of Conquest(Columbia UP,1989)で“英文学”の植民地インド発祥説を唱え、学界の注目を集める。“改宗”をテーマにした次作Outside the Fold(Princeton UP,1998)は、米国現代語学文学協会(MLA)のジェイムズ・ラッセル・ローウェル賞、米国比較文学協会(ACLA)のハリー・レヴィン賞、アジア研究協会(AAS)のクマーラスワーミー賞を受賞。2018年には、コロンビア大学学生の選出により、すぐれた教育者にあたえられるマーク・ヴァン・ドーレン賞を受賞している

三原芳秋[ミハラヨシアキ]
1974年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科准教授。文学博士(コーネル大学)。英語圏文学・文学理論専攻。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程およびコーネル大学大学院博士課程修了。お茶の水女子大学、同志社大学を経て、現職

田辺明生[タナベアキオ]
1964年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。学術博士(東京大学)。文化人類学、南アジア地域研究専攻。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。東京外国語大学、京都大学を経て、現職

常田夕美子[トキタユミコ]
国立民族学博物館外来研究員。学術博士(東京大学)。東京大学大学院総合文化研究科文化人類学専攻博士課程単位取得退学。大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任准教授を経て、現職

新部亨子[ニイベキョウコ]
翻訳家。京都大学法学部卒。1987‐1993年、J.P.モルガン&カンパニー(現J.P.モルガン・チェース・アンド・カンパニー)勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みを

2
文学/宗教棚のどちらに含むか迷ったが、関心に引き付けて後者に。著者はサイードの高弟にして継承者である。本書は3部構成で、それぞれ異なるテーマを扱ってはいるが、問題意識は貫徹している。すなわち、〈異他=異端的な知〉のダイナミズムを〈はじまり〉にまで遡ることにより、サイードが遠ざけていた「宗教」の領野をも含んだ上で、文学の立場から世俗批評を打ち立てることである(と読んだ)。巻末に付された長めのインタヴューは、筆者の論旨をわかりやすく理解するための助けとなる。とても興味深く読んだ。再読の価値あり。2022/02/25

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