出版社内容情報
「読者よ、これは誠実な書物なのだ……わたし自身が、わたしの本の題材なのだ」(モンテーニュ)
「とりとめのなさというか、ややたががゆるんだようなところが、『エセー』のすばらしさだと映る。しかも、このとりとめのなさが、読後、煙のように消えてしまう性質のものかといえば、そんなことはない。いくつかの核のようなものが、読者の心の深いところに確実に宿る。そしてそれが、あるとき、ふっと浮かんできて、ああ、あの個所、どんな調子だったっけなどと、また読み直してみる気になる」(編訳者あとがき)
モンテーニュは、自分をはじめて見つめた人、人間が生きるための元気を鼓舞してくれる人である。「エッセイ」というジャンルの水源たる古典を、読みやすい新訳で。全巻の掉尾をかざる「経験について」ほか11章。
内容説明
モンテーニュは、自分をはじめて見つめた人、人間が生きるための心志を鼓舞してくれる人である。「年齢について」「後悔について」「経験について」など、“エッセイ”というジャンルの水源たる古典の精髄を、読みやすく面白い画期的な新訳で。
目次
悲しみについて
われわれの幸福は、死後でなければ判断してはならない
一方の得が、他方の損になる
みずからの名声は人に分配しないこと
匂いについて
年齢について
さまざまの書物について
われわれはなにも純粋には味わわない
なにごとにも季節がある
後悔について
経験について
著者等紹介
モンテーニュ,ミシェル・ド[モンテーニュ,ミシェルド] [Montaigne,Michel Eyquem de]
1533‐92。1533年2月28日フランスのボルドーに近いモンテーニュの城館で生まれる。幼時よりラテン語で教育をうけ、大学で研鑚をつんでから、24歳でボルドー高等法院の裁判官となった。32歳で結婚、38歳の誕生日に引退の辞を書斎にきざみこみ、以後は農園経営のかたわら、読書と思索に身をささげる。折々に書きとめた覚え書きを80年に『エセー』二巻として自費出版。翌年にかけてドイツからイタリアにかけて旅行するが、ボルドー市長に選出され帰郷。1592年9月13日に没す
宮下志朗[ミヤシタシロウ]
1947年、東京生まれ。東京大学名誉教授。放送大学教養学部教授。1990年『本の都市リヨン』(晶文社)で大佛次郎賞受賞。ラブレー、モンテーニュからゾラ、バルザック、都市論まで、幅広くフランスの文学と文化を扱っている。ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(全5巻、ちくま文庫)の訳業により、2013年度の読売文学賞(研究・翻訳部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AKI
グッチ
Masaki Iguchi
きひら
-
- 電子書籍
- 懐妊初夜~一途な社長は求愛の手を緩めな…