出版社内容情報
転換期を迎えたアメリカを知るために、なにより建国以来現在までを貫くアメリカを理解するために、高い学術レベルで全体を見据えて研究してきた、アメリカ研究第一人者が遺した論文集。建国前後の政治と宗教の実態から、その水脈がその後の外交・戦争・大統領・議会などにどう現れてくるか。アメリカの反知性主義を知るためにも必読の書。
内容説明
アメリカ研究の第一人者がみずから編みながら遺された論集を、ここにおくる。プリマス植民地をはじめ、アメリカ建国前後の政治と宗教(制度としての政教分離と国民の心情としての政教融合)の実態からアメリカの根っこを描き、その水脈がその後の外交・戦争・大統領・議会などにどう現れてくるかが明らかになっている。転換期を迎えたアメリカを知るために、なにより建国以来現在までを貫くアメリカを理解するために、さらにアメリカの「反知性主義」の一端を学ぶために、高い学術レベルを保ちながら全体を見据えて研究してきた著者の12章の遺稿は、この国の今後のアメリカ研究にとって不可欠なものであろう。また、巻末の2編「草創期アメリカ研究の目的意識―新渡戸稲造と「米国研究」」および「日本におけるアメリカ研究―その歴史と今後の課題」は、学問・文化レベルでの日米関係史を描いた、きわめて貴重な資料でもある。
目次
1(契約による社会形成;アメリカ革命と宗教―文化的多元性・政教分離・統合;制度的政教分離と心情的政教融合―一八世紀後半アメリカ社会における政教関係;政治構造と政教分離―イギリス“複合”帝国とアメリカ諸植民地)
2(建国期アメリカの防衛思想;アメリカ外交の原型―建国期アメリカの対外意識;第一次大戦とアメリカ社会―素描)
3(アメリカ大統領職の変質 素描(1)組織化と個人化
ポストモダンの大統領の登場?―アメリカ大統領職の変容
『アメリカの対外政策決定と議会』序論)
4(草創期アメリカ研究の目的意識―新渡戸稲造と「米国研究」;日本におけるアメリカ研究―その歴史と今後の課題)
著者等紹介
斎藤眞[サイトウマコト]
1921‐2008。東京生れ。1942年、東京大学法学部政治学科卒業。助手採用の後、直ちに休職し、海軍主計見習尉官。46年、助手に復職し、59年、ヘボン講座を担任し、同時に法学部教授。この間、ハーヴァード大学、プリンストン高等研究所などに留学する。1981年、東京大学を退職し、国際基督教大学教授(‐91年)。1997年、文化功労者。2005年、文化勲章
古矢旬[フルヤジュン]
1947年東京生れ。東京大学法学政治学研究科修了。1975年、北海道大学法学部助教授に就任する。その後、北海道大学法学部教授、東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、北海商科大学教授。北海道大学、東京大学名誉教授。1989年、プリンストン大学でPh.D.を取得する
久保文明[クボフミアキ]
1956年東京生れ。1979年東京大学法学部を卒業し、同法学部助手、筑波大学助教授、慶應義塾大学教授を経て、2003年より東京大学法学政治学研究科教授。法学博士。この間、パリ政治学院招聘教授、ウッドロー・ウィルソン研究員などの他、東京大学ヘボン=渋沢記念講座を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りん
PETE
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- 動都 移動し続ける首都