心の影〈1〉―意識をめぐる未知の科学を探る (新装版)

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心の影〈1〉―意識をめぐる未知の科学を探る (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 248p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622085874
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C1040

出版社内容情報

『皇帝の新しい心』につづく<心>の理論。人間の脳はコンピュータでシミュレートできるのか? 新しい物理学の姿が示される。人間の心はなぜ存在するのか。心は脳という生物的器官に固有のものなのか。意識現象を科学で理解することはできるだろうか。人間と等価の意識をもつロボットの製造は可能か。われわれはなぜここにいて、宇宙について、心について考えているのか。

著者ペンローズは、宇宙論に関するS・ホーキングとの共同研究によっても知られる数学者。ベストセラーとなった前著『皇帝の新しい心』では、人工知能(AI)を「裸の王様」と喝破した。その主張は激しい論議を巻き起こし、多くの反論を呼んだ。それらの異論に答えるとともに、心の理解に必要な未知の科学を提示するために書かれたのが本書『心の影』である。
ペンローズは、人間の脳は単なる計算機械ではなく、コンピュータには、意識をシミュレートすることさえできないと考える。脳には、瞬時に状況を把握する能力があり、その能力を司るニューロン活動の背後には、アルゴリズムを超えた非計算的過程を宿すメカニズムがあるはずだというのである。
――では、そのメカニズムとは。著者によれば、ニューロンの細胞骨格の存在する微小管内部で起きている大規模な量子コヒーレントな振る舞いこそが脳の非計算的活動を理解する鍵となる。だが、その活動を解明するには現在の物理学を根本から変革しなければならない。それは、ビッグバンに始まる宇宙の全歴史を理解することに通じるというのだ。物質的世界、心の世界、プラトン的世界をめぐって著者の唱える未知の物理学――量子重力論――の姿がここに鮮やかに示される。全2冊。

まえがき
プロローグ

第1部 心の理解になぜ新しい物理学が必要なのか――意識的思考の計算不可能性
1 意識と計算
1.1 心と科学
1.2 ロボットはこの面倒な世界を救うことができるか?
1.3 計算と意識的思考のA, B, C, D
1.4 物理主義 対 心理主義
1.5 計算――トップダウンとボトムアップの手続き
1.6 観点Cはチャーチ‐テューリングのテーゼを破っているか?
1.7 カオス
1.8 アナログ計算
1.9 計算不可能になりうるのはどんな種類の活動か?
1.10 未来については?
1.11 コンピュータは権利や責任をもちうるか?
1.12 「気づき」、「理解」、「意識」、「知能」
1.13 ジョン・サールの議論
1.14 計算モデルのいくつかの困難
1.15 現在のAIの制約はCの弁護になるか?
1.17 プラトン主義か神秘主義か?
1.18 数学的理解の重要性とは何か?
1.19 ゲーデルの定理は常識的振る舞いとどうかかわるか?
1.20 心的な視覚化と仮想現実
1.21 数学的想像は非計算的か?

2 ゲーデル的論法
2.1 ゲーデルの定理とテューリング機械
2.2 計算
2.3 非停止計算
2.4 ある計算が停止しないことをどのようにして決定するのか?
2.5 計算の種族――ゲーデル‐テューリングの結論G
2.6 Gに対するありうべき技術的な反論
2.7 いくつかのより深い数学的考察
2.8 ω無矛盾性の条件
2.9 形式的システムとアルゴリズム的証明
2.10 Gに対するありうべきさらなる専門的批判
付録A 明示的なゲーデル化テューリング機械

3 数学的思考における計算不可能性の論拠
3.1 ゲーデルとテューリングは何を考えたのか?
3.2 不健全なアルゴリズムは数学的理解を可知的な仕方でシミュレートできるか?
3.3 可知的アルゴリズムは数学的理解を不可知の仕方でシミュレートできるか?
3.4 数学者はそれと知らずに不健全なアルゴリズムを使っているだろうか?
3.5 アルゴリズムは知りえないものでありうるか?
3.6 自然淘汰か、神の御業か?
3.7 一つのアルゴリズム、それとも多数の?
3.8 俗離れした秘儀的な数学者の自然淘汰
3.9 学習アルゴリズム
3.10 環境は非アルゴリズム的な外的因子を提供できるか?
3.11 ロボットはどのようにして学ぶことができるか?
3.12 ロボットは「固い数学的信念」を獲得することができるか?
3.13 ロボット数学の根底にあるメカニズム
3.14 基礎的矛盾
3.15 矛盾を回避する方法
3.16 ロボットはMを信じる必要があるか?
3.17 ロボットの誤りとロボットの「意味」
3.18 ランダムさをどう取り入れるか――ロボット活動のアンサンブル
3.19 誤った☆主張の除去
3.20 検討を要するのは有限個の☆μ主張だけである
3.21 予防措置の適切さ?
3.22 カオスは心の計算的モデルを救えるか?
3.23 帰謬法――幻想的な対話
3.24 背理的推論を用いてきたのだろうか?
3.25 数学的証明の複雑さ
3.26 計算的なループの破れ
3.27 トップダウンそれともボトムアップの計算数学?
3.28 結論

ロジャー・ペンローズ[ロジャーペンローズ]
1931年、英国サセックス州コルチェスターに、遺伝学者ライオネル・ペンローズの子として生まれる。ロンドン大学、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジで数学を学ぶ。ロンドン、ケンブリッジ、プリンストン、シラキューズ、テキサス、コーネル、ライスなど英米の諸大学で教鞭を執ったのち、1973年以降、オクスフォード大学ラウズ・ボール記念数学教授職にある。1972年、王立協会会員に選出される。宇宙論におけるペンローズの定理をはじめとして、物理学・数学の多くの業績があり、王立協会メダル、アインシュタイン・メダル、イギリス物理学学会ディラック賞などを受けたほか、スティーヴン・ホーキングと共同でエディントン・メダル、ウルフ物理学賞を受賞している。

林一[ハヤシハジメ]
1933年、台北市に生まれる。立教大学理学部物理学科卒業。昭和薬科大学名誉教授。物理学、科学史専攻。著書 『薬学のためのアリバイ工作』、『中国医学は現代科学を覆すか』、『幻想交響楽』、『シュレーディンガーのアヒル』、『日本の薬学教育』。訳書 ホフスタッター『ゲーデル・エッシャー・バッハ』、ホーキング『ホーキング、宇宙を語る』、ペンローズ『皇帝の新しい心』『心の影』ほか多数。

内容説明

『皇帝の新しい心』に続く“心”の理論。人間の脳はコンピュータでシミュレートできるのか?新しい物理学の姿が示される。

目次

第1部 心の理解になぜ新しい物理学が必要なのか意識的思考の計算不可能性(意識と計算(心と科学;ロボットはこの面倒な世界を救うことができるか?;計算と意識的思考のA、B、C、D ほか)
ゲーデル的論法(ゲーデルの定理とテューリング機械;計算;非停止計算 ほか)
数学的思考における計算不可能性の論拠(ゲーデルとテューリングは何を考えたのか?;不健全なアルゴリズムは数学的理解を可知的な仕方でシミュレートできるか?;可知的アルゴリズムは数学的理解を不可知の仕方でシミュレートできるか? ほか))

著者等紹介

ペンローズ,ロジャー[ペンローズ,ロジャー] [Penrose,Roger]
1931年、英国エセックス州コルチェスターに、遺伝学者ライオネル・ペンローズの子として生まれる。ロンドン大学、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジで数学を学ぶ。ロンドン、ケンブリッジ、プリンストン、シラキューズ、テキサス、コーネル、ライスなど英米の諸大学で教鞭を執ったのち、1973年以降、オクスフォード大学ラウズ・ボール記念数学教授職にある。1972年、王立協会会員に選出される。宇宙論におけるペンローズの定理をはじめとして、物理学・数学の多くの業績があり、王立協会メダル、アインシュタイン・メダル、イギリス物理学学会ディラック賞などを受けたほか、スティーヴン・ホーキングと共同でエディントン・メダル、ウルフ物理学賞を受賞している

林一[ハヤシハジメ]
1933年、台北市に生まれる。立教大学理学部物理学科卒業。昭和薬科大学名誉教授。物理学、科学史専攻。2016年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

7
人間の脳は物理的だが計算不可能だ。この前提は、霊魂を信じる非物理的で計算不可能な場合、自動人形のような物理的で計算可能の場合の2つの可能性を設定し、脳がそのどちらでもない点から導出される。この計算不可能性(ゲーデルの決定不可能命題を計算で見つけること)を人が出来てしまうことがある(人は決定不可能命題を複数見つけたという)。ここで著者は量子力学から物理学的宇宙論を刷新し(量子重力理論)、脳の計算不可能性に接近するという大胆な試みを始める。本書はビッグバンによる量子跳躍つまり確率波束の収縮をヒントに脳に迫る。2017/06/12

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