出版社内容情報
大学教育を中心に、現代アメリカの"精神の空洞化”を根底から抉った問題の書。現在の日本をも予見していたロングセラー。民主主義の国アメリカで精神生活がどのように発達したかを明確に語っている精確な歴史的要約である
(ソウル・ベロー)
全米に電気ショックを与える書。この5年間に出た本で、これほど影響力のある本はないだろう
(ニューヨーク・タイムズ)
内容豊かで心を奪われる。この本の値打はすべての人を挑発するところにある。近年刊行されたどの本も、アラン・ブルームほどのに幅ひろく、しかも深い洞察力でアメリカ精神の大旅行を試みたものはない
(ワシントン・ポスト)
かつての自由と平等の理念は、なんでも認めてしまう相対主義に変わってしまった。アパシー(無感覚)が今のアメリカを覆いつくしている。自由の砦であった大学は、かつては社会から孤立することで、逆に社会に貢献してきた。だが今や、大学は社会の要求をそのまま受け入れている。専門化がすすみ、科学技術やアップ・トゥ・デイトな講座がふえる一方、哲学・文学・芸術などの一般教養科目は片隅に追いやられてしまった……
大学教育を中心に現代アメリカの“精神の空洞化”を根底から抉った問題の書。決定的なアメリカ論である本書は、今後の日本を暗示する。
まえがき (ソウル・ベロー)
序文
序論――われわれの徳
第一部 学生
真白なノート
書物
音楽
きずな
自己中心主義/平等/人種/セックス/離別/離婚/恋愛/エロス
第二部 アメリカン・スタイルのニヒリズム
ドイツとのコネクション
二つの革命と二つの自然状態
自己
創造性
文化
価値
左翼のニーチェ主義化、もしくはニーチェ主義の左翼化
われわれの無知
第三部 大学
ソクラテスの『弁明』からハイデガーの『学長就任演説』まで
民主政における知的生活に関するトクヴィルの見解/思想と市民社会との関係/哲学的経験/啓蒙主義的変換/スウィフトの疑い/ルソーの急進化とドイツの大学
60年代
学生と大学
一般教養教育/大学の解体/さまざまな学問分野/結論
訳者あとがき
索引
アラン・ブルーム[アランブルーム]
1930-1992。イェール、コーネル、トロント、パリなどの各大学で30年間政治哲学を教えたのち、シカゴ大学教授。著書に『シェイクスピアの政治学』、訳書には、プラトン『国家』、ルソー『エミール』などがある。ヨーロッパ思想の古典への沈潜と現代アメリカ社会の変化への憂慮の念から『アメリカン・マインドの終焉』を執筆、大ベストセラーとなる。
菅野盾樹[スゲノタテキ]
1943年生まれ。1967年東京大学文学部卒業。東京大学文学部助手、山形大学教養部助教授、大阪大学大学院人間科学研究科教授を歴任。同大学名誉教授。著書『我、ものに遭う』(新曜社、サントリー学芸賞受賞)『メタファーの記号論』(勁草書房)『[増補版]いじめ――学級の人間学』(新曜社)『恣意性の神話』(勁草書房)『人間学とは何か』(産業図書)ほか。訳書 グッドマン『世界制作の方法』(共訳)、ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』、『サルトル/メルロ=ポンティ往復書簡――決別の証言』(以上みすず書房)ほか。
内容説明
大学教育を中心に、現代アメリカの“精神の空洞化”を根底から抉った問題の書。現在の日本をも予見していたロングセラー。
目次
第1部 学生(真白なノート;書物;音楽;きずな)
第2部 アメリカン・スタイルのニヒリズム(ドイツとのコネクション;二つの革命と二つの自然状態;自己;創造性;文化;価値;左翼のニーチェ主義化、もしくはニーチェ主義の左翼化;われわれの無知)
第3部 大学(ソクラテスの『弁明』からハイデガーの『学長就任演説』まで;六〇年代;学生と大学)
著者等紹介
ブルーム,アラン[ブルーム,アラン] [Bloom,Allan]
1930‐1992。コーネル、トロント、イェール、パリ、シカゴなどの各大学で政治哲学を教えた
菅野盾樹[スゲノタテキ]
1943年東京に生れる。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学文学部助手、山形大学教養部助教授、大阪大学大学院人間科学研究科教授をへて、現在、同大学名誉教授。著書『我、ものに遭う』(新曜社、1983、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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