いかにして民主主義は失われていくのか―新自由主義の見えざる攻撃

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いかにして民主主義は失われていくのか―新自由主義の見えざる攻撃

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085690
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。新自由主義は政治と市場の区別を取り払っただけでなく、あらゆる人間活動を経済の言葉に置き換えた。主体は人的資本に、交換は競争に、公共は格付けに。だが、そこで目指されているのは経済合理性ではない。新自由主義は、経済の見かけをもちながら、統治理性として機能しているのだ。
その矛盾がもっとも顕著に現れるのが大学教育である。学生を人的資本とし、知識を市場価値で評価し、格付けに駆り立てられるとき、大学は階級流動の場であることをやめるだろう。
民主主義は黙っていても維持できるものではない。民主主義を支える理念、民主主義を保障する制度、民主主義を育む文化はいかにして失われていくのか。新自由主義が民主主義の言葉をつくりかえることによって、民主主義そのものを解体していく過程を明らかにする。

内容説明

いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。新自由主義は政治と市場の区別を取り払っただけでなく、あらゆる人間活動を経済の言葉に置き換えた。主体は人的資本に、交換は競争に、公共は格付けに、だが、そこで目指されているのは経済合理性ではない。新自由主義は、経済の見かけをもちながら、統治理性として機能しているのだ。その矛盾がもっとも顕著に現れるのが大学教育である。学生を人的資本とし、知識を市場価値で評価し、格付けに駆り立てられるとき、大学は階級流動の場であることをやめるだろう。民主主義は黙っていても維持できるものではない。民主主義を支える理念、民主主義を保障する制度、民主主義を育む文化はいかにして失われていくのか。新自由主義が民主主義の言葉をつくりかえることによって、民主主義そのものを解体していく過程を明らかにする。

目次

デモスの崩壊
第1部 新自由主義的理性と政治的生(民主主義の崩壊―新自由主義が国家と主体をつくりなおす;フーコーの『生政治の誕生』新自由主義の政治的合理性の見取り図;フーコー再訪―ホモ・ポリティクスとホモ・エコノミクス)
第2部 新自由主義的理性を散種する(政治的合理性とガバナンス;法と法的理性;人的資本を教育する)
剥き出しの民主主義が失われ、自由が犠牲へと反転する

著者等紹介

ブラウン,ウェンディ[ブラウン,ウェンディ] [Brown,Wendy]
アメリカの政治哲学者。現在、カリフォルニア大学バークレー校政治学教授

中井亜佐子[ナカイアサコ]
一橋大学教授。専攻は英文学、批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イボンヌ

14
フーコーやマルクスなど引用が多く難解でしたが、結びにある「絶望 別の世界は可能か」には、多くの憔悴気味のリベラルの人達に勇気を与えてくれるかもしれません。2018/01/05

ルンブマ

8
著者ウェンディ・ブラウンって、どことなく井手英策っぽい。いかにして民主主義は失われていくのか?その答えは、タイトルから分かるように新自由主義の見えざる攻撃によって、である。だが問題はそこまで単純ではない。複雑なのは、民主主義が民主主義を否定してしまう不思議である。冷静に考えてみると、民主主義の破壊が民衆側に不利なものであれば、もっと前に国民が批判していたはずである。しかし、現実は多くの国民が積極的に新自由主義思想を歓迎している。なぜなのか?2019/08/28

スターライト

7
新自由主義がどのようにして民主主義のシステムに侵食し崩壊していくのかを、78年~79年にフーコーがコレージュ・ド・フランスで行った講義録『生政治の誕生』を批判的に援用しながら論じた書。そこには市場と貨幣が政治的諸制度がますます金融資本と企業資本に支配され、人民による人民のための制度である民主主義が、金持ちによる金持ちのための支配にとってかわっていく過程が浮き彫りになっている。アメリカの4つの裁判例や、大学で進む企業の影響力の増大は、今まさに日本でも深刻化している問題だ。絶望することなく進むには厳しい。2022/06/14

GASHOW

7
民主主義は難しい。他国民が経済活動に参加して、他国に有利なようにロビー活動ができる。外国の侵略を想定しない日本では、水源を奪われたり、移民受け入れをなし崩しに許してしまう。制度の脆弱性なので防ぐことは非常に困難。2020/03/18

ヒナコ

6
リベラリズムを分析した前著『寛容の帝国』からさらに分析が進化しているように感じた。 本著において、イラク占領後の農業改革によるイラク農業の世界市場への参入、アメリカの中堅大学の教養学部の没落、アメリカの選挙制度への企業参入禁止の撤廃など具体的な事例を基に、アリストテレス的な「善き生」をめぐる問いが、ネオリベラルな社会から必然的に淘汰されていく様が論じられる。近代民主主義を支える古典派経済学者が想定した主体の複合性が、ネオリベラルな統治性の渦中で消えていくのは何からの「解放」であるのか考えると気が重かった。2018/01/26

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