下丸子文化集団とその時代―一九五〇年代サークル文化運動の光芒

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下丸子文化集団とその時代―一九五〇年代サークル文化運動の光芒

  • 道場 親信【著】
  • 価格 ¥4,180(本体¥3,800)
  • みすず書房(2016/10発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 411p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085591
  • NDC分類 379.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

誰もが詩を書き、ガリ版を刷り、集まっては批評しあった。50年代の東京で活躍した「下丸子文化集団」から見える、もう一つの戦後史敗戦後の1950年代、「サークル文化運動」が空前の盛り上がりをみせていた。誰もが詩や小説を書き、それを印刷し、集まっては批評しあった。文化産業は未発達で、そして人々は貧しかった。サークル文化運動は若い工場労働者の間でまたたくまに広まり、文学サークル、うたごえサークル、演劇サークルなど、全国各地に無数のサークルができた。
そのなかでも光を放っていたのが、東京南部の「下丸子文化集団」である。多くの工場や軍需工場がひしめく一大工業地帯だった東京南部(大田区・品川区・港区)で働く若い労働者による「下丸子文化集団」は、『詩集 下丸子』『石ツブテ』などの冊子や、「原爆を許すまじ」などの歌を生み出し、全国に大きな影響を与えた。
当時のサークル文化運動は左翼文化の影響を強く受けており、労働者たちは共産党や労働組合との緊張関係のなかで、時には党の方針に翻弄されながら、生き生きとした表現をつくりだし、やがては思想的に自立することになる。
わら半紙にガリ版の印刷物、うたごえ運動や演劇活動ゆえに、一大ブームを巻き起こしたサークル文化運動は、資料としてわずかな痕跡しか残していない。本書はそれらの資料の丹念な読み込みと、当事者への膨大なインタビューを行いながら、「もうひとつの戦後史」を鮮やかに浮かび上がらせる。

はじめに
第一章 工場街に詩があった
第二章 下丸子文化集団とその時代
第三章 無数の「解放区」が作り出したもうひとつの地図
補章 サークル運動の記憶と資料はいかに伝えられたか
第四章 全国誌と地域サークル
第五章 東京南部における創作歌運動
第六章 工作者・江島寛
第七章 東京南部から東アジアを想像した工作者


東京南部文化運動年表
あとがき

道場親信[ミチバチカノブ]
1967年生まれ。和光大学現代人間学部教授。専門は社会運動論・日本社会科学史。著書に『占領と平和――〈戦後〉という経験』(2005年、青土社)、『抵抗の同時代史――軍事化とネオリベラリズムに抗して』(2008年、人文書院)、『下丸子文化集団とその時代――一九五〇年代サークル文化運動の光芒』(2016年、みすず書房)。共著に『社会運動の社会学』(2004年、有斐閣)、『戦後日本スタディーズ 2』(2009年、紀伊國屋書店)、『読む人・書く人・編集する人――『思想の科学』50年と、それから』(2010年、思想の科学社)、『〈つながる/つながらない〉の社会学――個人化する時代のコミュニティのかたち』(2014年、弘文堂)、『ひとびとの精神史』第2巻・第6巻(2015年、岩波書店)、『岩波講座 日本歴史』第19巻(2015年、岩波書店)ほか。

内容説明

誰もが詩を書き、ガリ版を刷り、集まっては語りあった。1950年代、軍需工場ひしめく東京南部で活躍した「下丸子文化集団」から鮮やかに浮かび上がる、もう一つの戦後史。

目次

第1章 工場街に詩があった
第2章 下丸子文化集団とその時代―五〇年代東京南部サークル運動研究序説
第3章 無数の「解放区」が作り出したもうひとつの地図―東京南部の「工作者」たち
補章 サークル運動の記憶と資料はいかに伝えられたか
第4章 全国誌と地域サークル―東京南部から見た『人民文学』
第5章 東京南部における創作歌運動―「原爆を許すまじ」と「南部作詞作曲の会」
第6章 工作者・江島寛
第7章 東京南部から東アジアを想像した工作者―江島寛再論

著者等紹介

道場親信[ミチバチカノブ]
1967年生まれ。和光大学現代人間学部教授。専門は社会運動論・日本社会科学史。2016年9月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ポカホンタス

4
「サークル活動」の「サークル」という言葉の歴史を調べるのに読んでみた。今日読んだ『1950年代 「記録」の時代』の著者鳥羽氏とは研究仲間であり親友らしい。2016年に重いがんが見つかり、本書を書き上げて数日で、本書を手にすることなく逝去された。49歳。死の直前に、長年の研究成果を納得の形でまとめ上げることができて嬉しかったであろうが、あとがきにはこれから取り組みたい研究テーマがたくさん書かれていて涙をさそう。文章は真摯で平明、抑えるべきところがしっかり抑えられて2019/10/22

古戸圭一朗

1
サークル文化運動が盛り上がった1950年代、東京南部で生まれた「下丸子文化集団」の活動や、それに関わった人々の思想を、資料を元に丹念に記述している。自分もコミケで「サークル」を運営する身なので、その言葉に惹かれて読んでみた。無論、現在のコミケのサークル活動と連続性はないし、状況も大きく異なっているが、示唆に富むところも多くあった気がする。特に評論サークルを運営する身としては、「創作と実践」はどうかかわるべきか、という論争を興味深く読んだ。2020/02/02

tkm66

0
この辺りの記録はもう残し始めなければいけない。50年代の「〈民主的〉なる呪文の受容形態」や今日の〈歌声喫茶〉までの連続も。もちろん〈党派性〉から距離を取った・極力客観的な形で。・・実は既に【偽史化進行中】かな。2016/12/25

Hisashi Tokunaga

0
精読するほどの関心があった訳では無い。1950年代の東日本重工(三菱)、北辰、三井精機などがその威容を誇る中、労働者が文化運動を展開した歴史は今忘れさられようとしている。かつての田ばたから大工場と町工場群に変貌し、いま大規模マンション群に変貌した。マチの文化はそこにその時代何が「ある」かで生まれ死滅する。本書を文化運動の鎮魂歌と読むか、今いわれる「まちづくり」の為のガイドとするか、それとも・・・・・・・。作者の本位を離れて読まれる一冊だろう。2016/12/20

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