戦争文化と愛国心―非戦を考える

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085188
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

知らないうちに生活に忍び込み国を覆っていった戦争文化を〈皇国の少国民〉としての記憶から検証し、戦後の非戦の思想の系譜を辿る。「大東亜戦争」の始まりを国民学校一年生で迎え、「皇国の少国民」であることが最初のアイデンティティだった……
教科書に歴史物語、軍歌。家庭では新聞や雑誌、ラジオを通じて、戦争の言葉を、時代の狂気を擦り込まれた少年時代。その鮮やかな記憶に語らせながら、著者は戦争を誘発し、戦争への道を用意する〈戦争文化〉が、何によって、誰によって形作られ、どのように生活に忍び込み、日本を覆っていったかを検証してゆく。
〈私〉の経験を出発点に、さらにその外へ――1930年代の戦争文化を最大限に呼吸し、そのために生き、死んでいったわだつみ世代の若者たち。敗戦後の混沌と虚脱の中、価値の180度の転換を迫られた大人たち。戦争文化をさっさと脱ぎ捨てたかに見えた日本人一般の心の転回。
戦争文化は本当に解体されたのか。その核心にあった、あの〈愛国心〉はどうなったのか。
明治の時代の〈愛国心〉論議と〈愛国心〉批判、フランスに目を転じて、アラン、ジャン・ジオノの非戦論、さらに日露戦争時に始まる兵役拒否と不服従の思想。丸山眞男、加藤周一、鶴見俊輔ら「戦中世代」の残したものを受け止めなおしつつ、「戦後世代」の言説もみわたし、戦争文化と愛国心の歴史、そして、それに立ち向かう非戦の思想の系譜をたどる。政党でもなく、団体でもない私たち一人一人が、出来合いの処方箋のないところで、それでも何かを考え、何かを作り出してゆくために。

第一章 国民学校一年生――言葉を擦り込まれた少年
1 「コクミンガッコウ イチネンセイ」
  背景
  教師たちの養成
2 「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」
  戦争文化は細部に宿る
3 日の丸教育
4 教室風景
5 愛国節をうなる
  新聞
6 そこのけそこのけ軍歌がとおる
  軍歌のパトロン
7 英雄と悪人の歴史物語

第二章 戦争文化とは何か
1 騙されたではすまない
2 戦争のない世界は恐ろしい
3 反面教師として
4 フランス歴史学から
5 若者たちの戦争文化――『きけ わだつみのこえ』
6 学者たち

第三章 古い上着よ さようなら
1 八月十五日
2 闇市洗礼
3 野球と歌と
4 新制中学一年生――新憲法の申し子
5 見える人たち
6 傷を残した人々
7 混沌と虚脱の状態の中から――手のひらを返した日本人
8 思い違いとナイーヴさ
9 言葉の引っ越し
10 チボー家世代

第四章 愛国心の行方
1 戦後の「愛国心」論議
2 清水幾太郎『愛国心』
  構成
  清水の位置――愛国心の脱構築
3 丸山眞男のナショナリズム論
4 二つの不思議
5 三つの愛国心論
  姜尚中『愛国の作法』 
  佐伯啓思『日本の愛国心――序説的考察』
  テッサ・モーリス=スズキ『愛国心を考える』
6 パトリオティズムとナショナリズム
  どう区別するか
  パトリオティズムは愛、ナショナリズムは憎悪

第五章 非戦思想の源流
1 内村鑑三
  「義」のための戦争
  非戦主義者の誕生
  戦時の姿勢
  愛国心について
2 幸徳秋水
  非戦論―反戦争文化論
  愛国心論
  軍国主義論
  帝国主義論
  非戦―反戦闘争の継続
  兵役は?

第六章 兵役拒否と不服従の思想の源流
1 徴兵忌避
2 矢部喜好の肖像
3 村本一生と明石真人
4 フランスの非戦論 1――アラン
5 フランスの非戦論 2――ジャン・ジオノ
6 百二十一人宣言――アルジェリア戦争の中から

第七章 非戦の原理から不服従の思想へ
1 憲法平和主義について
2 『きけわだつみのこえ』と原水爆禁止運動
3 「戦争の犠牲者」「戦争の被害者」――-三つの目隠し
4 久野収と鶴見俊輔
5 大熊信行
6 鶴見良行
7 脱走兵支援運動
8 小田実
9 市民的不服従と良心的拒否

終章 少数の力のために
1 私たちはどこにいるのか
2 少数の力のために


参照文献
あとがき

海老坂 武[エビサカ タケシ]
著・文・その他

内容説明

戦後の厭戦と反戦の雰囲気から、少しずつ、少しずつ、何がどう変わって、いまの日本になったのか。細部に宿る“戦争文化”とたたかうために、私たちに何ができるのか。

目次

第1章 国民学校一年生―言葉を擦り込まれた少年
第2章 戦争文化とは何か
第3章 古い上着よ さようなら
第4章 愛国心の行方
第5章 非戦思想の源流
第6章 兵役拒否と不服従の思想の源流
第7章 非戦の原理から不服従の思想へ
終章 少数の力のために

著者等紹介

海老坂武[エビサカタケシ]
1934年東京に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。同大学院(仏語・仏文学)博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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奥澤啓

24
仏文学者海老原武氏が一年程前に上梓した。自らの戦前体験を出発点に、フランスの非戦論、戦後日本思想などを緻密に検証する。明治時代の愛国心論議と愛国心批判など興味がつきない。終章は「少数の力のために」。第一章「国民学校一年生」の冒頭は「「日本を、取り戻す」、「戦後レジームからの脱却」「積極的平和主義」怪しげな言葉、きなくさい言葉が横行する時代になった。ああ、またあの呪いの言葉、あの節回しだ、と七〇年以上前の記憶がどっと押し寄せてくる」で始まる。今の日本の趨勢を危惧する事から説き起こされる。2019/05/01

奥澤啓

22
注と参照文献が充実しているのもありがたい。特に参照文献は戦後日本と世界を関連づけてとらえるには欠かせない物ばかりだ。誤記があるので指摘する。339頁、「エドワード・スノーデン『スノーデン 日本への警告』青木理訳(集英社新書、二〇一七)」とあるが、青木理氏は翻訳者でなく著者の一人である。海老坂氏は加藤周一と親交があった。加藤と森有正を論じた『戦後思想の模索』は古い物だが現実に両人を知る世代の書であり貴重である。森有正論として興味深い指摘がたくさんある。この本も注が優れている。時に、両人への厳しい視点もある。2019/05/02

ブルーハート

4
海老坂は本書の中で、「戦争文化」とは何かに深く食い込んでいく。加藤周一が挙げる「戦争を支える国民の意識」、すなわちメディアを通じての政府の大衆操作に無抵抗であること、大勢順応主義、鎖国心理、差別の4つに加えて、言葉に対する鈍感さと封建的上下関係の2点を付加しつつ、さてさて、「今日の日本人はこのような意識態度から解き放たれ」ているのだろうかと、鋭く我々に問いかける。残念ながら今の政治状況を見ればその答えは明らかだ。我らの心理・態度に巣食う戦争文化をしっかりと意識化したい。2019/10/14

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