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シベリア抑留関係資料集成

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  • サイズ A5判/ページ数 45,8/高さ 23cm
  • 商品コード 9784622085157
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C3021

出版社内容情報

シベリア抑留から70年余、今ようやく問題の全貌が明らかになってきた。関係者・研究者待望の、わが国最初の資料集をついに刊行。関係者・研究者待望の、シベリア抑留に関するわが国最初の資料集をここに刊行する。
シベリア抑留問題については、今日まで、私家版を含め、ゆうに2000冊を超える回想記類が刊行されてきた。だが、客観的な資料にもとづいた資料集はこれまで存在しなかった。シベリア抑留から70年余が経過し、旧ソ連が保持していた公文書や米国および米占領軍の公文書も開示された今、本書に収録された193編の資料および付録類によって、抑留に至る経緯から、極東・シベリア・中央アジア・モンゴル・北朝鮮・南樺太などの各地域での抑留の実態、帰還および帰還後の問題、冷戦下のかけひきなど、その全貌がはじめて明らかにされる。
資料の半分を翻訳が占める。巻末には、これまで刊行された「シベリア抑留体験記」のほぼ全てを収めた膨大な書誌を付す。戦後70年余をへてようやく実現できたこの画期的な資料集は、現代史研究等に、新たなる道を拓くであろう。

凡例
資料の典拠
用語等の解説
地図

第一部 日ソ戦争と捕虜の抑留及び移送
第一節 ヤルタ密約から日本の降伏調印まで
日ソ中立条約/モロトフより日ソ中立条約廃棄の通告について/ソ連政府の対日開戦宣言/一般命令第一号に関する米ソ秘密外交書簡/日本軍捕虜に関する「ベリヤの指令」  23編

第二節 ソ連の捕虜規定及び収容所システム
捕虜収容所の設置に関する内務人民委員部命令/抑留ドイツ人の労働使役に関する国家防衛委員会決定  9編

第三節 日本軍将兵のソ連移送と初期収容
日本軍捕虜の受入れ、配置、労働使役に関する国家防衛委員会決定の実施に関するソ連内務人民委員部の命令/日本人捕虜の遺体の埋葬方法に関する内務人民委員指令  18編

第二部 虜囚生活と「民主運動」
第一節 虜囚生活――住居、衣服、食事、衛生、労働
日本人捕虜用食糧供給基準の変更と物品供給基準の導入に関する内相命令/病気の日本人捕虜二万人を朝鮮に搬送し、健康な日本人捕虜二万二〇〇〇人を朝鮮から搬出する件に関する内相命令/日本人捕虜と家族との文通を許可すべきだとするクルグロフ内相の報告  19編

第二節 政治教育と「民主運動」
捕虜の反ファシスト要員の養成に関する内務人民委員部命令/『日本新聞』第一〇八号「日本新聞友の会」結成呼びかけ/『日本新聞』第四二八号「帰国する兄弟たちへ」/スターリン大元帥へおくる感謝文  19編

第三節 「戦犯」摘発と裁判
銃殺された田中義久中佐に関する証言/反ソ犯罪行為を暴かれた日本人捕虜を逮捕し、裁判にかけることに関するソ連内務省、法務省、ソ連軍検事総長の指示  9編

第四節 諸地域――極東、シベリア、中央アジア、モンゴル、北朝鮮、南樺太ハバロフスク地方における捕虜・抑留者業務管理局の活動
一九四五―五〇年/モンゴルの収容所における捕虜処遇方法に関する訓令/ナホトカの赤い太陽――吉村隊と人民裁判/北朝鮮からの脱出、残留技術者の回想/樺太残留民の現況/南樺太地区未帰還者の全般資料  12編

第三部 抑留者たちの帰還と冷戦下日本
第一節 米ソ協定と送還収容所
ソ連地区引揚げに関する米ソ協定/第四七回連合国対日理事会における米ソ代表の日本人捕虜送還をめぐる論争/一九四八年に送還される日本人の人数削減を求めるモロトフのスターリンあて要請/日本軍に属した朝鮮人捕虜の送還に関する内相命令/日ソ共同宣言調印前夜の日本人捕虜・抑留者、ソ連残留者数に関する内務次官の報告/日本
人捕虜埋葬者数と墓地所在地  38編

第二節 舞鶴帰還と米ソの工作
ソ連引揚者感想文集/高砂丸・永徳丸引揚者から観た引揚者の動向/引揚援護寮落書集/ソ連から帰還した日本人捕虜の尋問に関する情報/抑留捕虜のスパイ徴募工作  12編

第三節 政府の引揚施策と帰還者たちの運動
在鮮邦人の引揚状況/引揚援護「愛の運動」/入党した帰還者諸君へ/一九四九年帰還第一船/ルポルタージュ・舞鶴/衆議院考査特別委員会における菅季治証言  22編

第四節 長期抑留者たちとその引揚
帰国に関する日ソ赤十字社共同コミュニケ/ハバロフスク事件関係文書/すべての日本人を拘禁場所から釈放し祖国へ送還することに関するソ連共産党中央委員会への報告/第十一回(最終)引揚/近衛文隆死亡に関する情報  12編

付録1-4
解題
あとがき
地図
年表
シベリア抑留体験記書誌

富田武[トミタタケシ]
1945年生まれ。成蹊大学法学部名誉教授。ロシア・ソ連政治史、日ソ関係史。著書『スターリニズムの統治構造』(岩波書店1996)『戦間期の日ソ関係』(岩波書店2010)『シベリア抑留者たちの戦後』(人文書院2013)『語り継ぐシベリア抑留』(共著、ユーラシア文庫、群像社2016)『シベリア抑留――スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』(中公新書2016)。編書『シベリア抑留関係資料集成』(共編、みすず書房、2017)。シベリア抑留研究会代表世話人。

長勢了治[ナガセリョウジ]
1949年生まれ。シベリア抑留研究者。翻訳家。著書『シベリア抑留全史』(原書房2013)『シベリア抑留――日本人はどんな目にあったのか』(新潮選書2015)。訳書 カルポフ『スターリンの捕虜たち』(北海道新聞社2001)ポリャーン『二つの独裁の犠牲者』(原書房2008)他。編書『シベリア抑留関係資料集成』(共編、みすず書房、2017)。

内容説明

第二次世界大戦終結、そしてシベリア抑留から70年余。旧ソ連が保持していた資料も開示された今、ようやく問題の全貌が明らかになった。関係者・研究者待望の、わが国最初の客観的資料集を公刊。

目次

第1部 日ソ戦争と捕虜の抑留及び移送(ヤルタ密約から日本の降伏調印まで;ソ連の捕虜規程及び収容所システム;日本軍将兵のソ連移送と初期収容)
第2部 虜囚生活と「民主運動」(虜囚生活―住居、衣服、食事、衛生、労働;政治教育と「民主運動」;「戦犯」摘発と裁判;諸地域―極東部、シベリア、中央アジア、モンゴル、北朝鮮、南樺太)
第3部 抑留者たちの帰還と冷戦下日本(米ソ協定と送還収容所;無鶴帰還と米ソの工作;政府の引揚施策と帰還者たちの運動;長期抑留者たちとその引揚)

著者等紹介

富田武[トミタタケシ]
1945年生まれ。成蹊大学法学部名誉教授。ロシア・ソ連政治史、日ソ関係史。シベリア抑留研究会代表世話人

長勢了治[ナガセリョウジ]
1949年生まれ。シベリア抑留研究者。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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古本虫がさまよう

1
巻末には、抑留体験者の手記、抑留をテーマにした本が五十音順に並んでいる。68頁。1頁40冊とすれば、2500冊~3000冊ぐらい。著者名五十音順に書誌が掲載もされている。こういう本を手にして、シベリア抑留関係書誌をコレクションすることも可能だろう。じっと2000数百冊の手記の書名を眺める。ここに多くの人々の苦悩の日々が綴られている…。手記を書いた人は、生き残って日本に戻ることができた幸運な人々。ざっと70万抑留、7万死亡…。帰国してすぐに亡くなった人も少なくない。そういう人は手記を残すこともできなかった。2017/10/15

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