民主主義の内なる敵

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民主主義の内なる敵

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  • サイズ B6判/ページ数 246,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085126
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C1010

出版社内容情報

シリア内戦、IS、難民、テロ。「進歩、自由、人民」という民主主義の理念が民主主義を脅かしている今日、共生への道筋とは。「民主主義はその行き過ぎによって病んでいる。そこでは自由は暴政と化し、人民は操作可能な群集へと姿を変える。進歩を促進しようとする欲望は、十字軍の精神に変化する。経済、国家、法は万人の開花のための手段であることをやめ、いまや非人間化のプロセスの性質を帯びている」

今日、民主主義の危機は外部(ファシズム)からやって来るのではない。民主主義みずからが内なる敵を生み出し、自身の存立を脅かす。すなわち、政治的メシア信仰、個人の専横、新自由主義、ポピュリズム、外国人嫌いである。
シリア内戦、IS、難民、テロ――現在時の危機を通じて、「進歩、自由、人民」というリベラルな理念がいかに社会全体の幸福を危うくするかを抉り出す。みずからもブルガリアからの移民であるフランス思想界の大御所が、民主主義の再生へ向けて新たな多元主義と共存の方途を探る、渾身の現代政治文化論。

第1章 民主主義内部の不具合
自由のパラドクス/内外の敵/行き過ぎに脅かされる民主主義

第2章 古来の論争
登場人物/ペラギウス――意志と完全さ/アウグスティヌス――無意識と原罪/論争の結末

第3章 政治的なメシア信仰
革命期/第一波――革命戦争と植民地戦争/第二波――共産主義の計画/第三波――爆弾によって民主主義を押しつける/イラク戦争/内的な損害――拷問/アフガニスタン戦争/傲慢と権力の誘惑/リビア戦争――決定/リビア戦争――死刑執行/理想主義者と現実主義者/道徳と正義に直面した政治

第4章 個人の専横
個人を擁護する/人間的行動を説明する/共産主義と新自由主義/非妥協的保守主義の誘惑/新自由主義の盲点/自由と執着

第5章 新自由主義の結果
科学の責任?/法の後退/意味の喪失/マネジメントの技術/マスメディアという権力/公的発言の自由/自由の制限

第6章 ポピュリズムと外国人嫌い
ポピュリズムの台頭/ポピュリズムの言説/民族的アイデンティティ/多文化共存を打倒せよ――ドイツの場合/英国とフランスにおいて/スカーフをめぐって/一つの論争が他の論争を隠しているかもしれない/外国人との交流/共によりよく生きる

第7章 民主主義の将来
民主主義――夢と現実/私たちの内なる敵/再生に向かって?

原注
訳者あとがき
人名索引

ツヴェタン・トドロフ[ツヴェタン トドロフ]
1939年、ブルガリアのソフィアに生まれる。1963年、渡仏。1973年、フランス国籍取得。現在、国立科学研究所(CNRS)の芸術・言語研究センター研究指導教授。ロラン・バルトの指導のもとに『小説の記号学』(67)を著し記号学的文学批評の先駆をなす。その後、『幻想文学論序説』(70)、『象徴の理論』(77)、『象徴表現と解釈』(78)、『言説の諸ジャンル』(78)、『批評の批評』(85)など文学の記号学的研究を進めるかたわら、『ミハイル・バフチン 対話の原理』(81)を転機として一般人類学的研究に範囲を拡大させる。その最初の成果が『他者の記号学』(82)である。その後、邦訳されているものだけでも多数の著書がある。『歴史のモラル』(91)でルソー賞を受賞。

大谷尚文[オオタニ ナオフミ]
1947年、島根県生まれ。宮城県出身。東北大学文学部大学院修士課程修了。弘前大学講師、助教授、教授を経て、石巻専修大学教授。おもな訳書に、T・トドロフ『他者の記号学』(共訳)、P・ショーニュー『歴史とデカダンス』(以上、法政大学出版局)、Ph・ラクー‐ラバルト『政治という虚構』(共訳、藤原書店)、E・ラルセン『風景画家レンブラント』(共訳)、トドロフ『アステカ帝国滅亡記』(共訳)、P・ヴェーヌ他『個人について』、Chr・オリヴィエ『母の刻印』、トドロフ『フランスの悲劇』、トドロフ『共同生活』、S・ティスロン『恥』(共訳)、トドロフ『ミハイル・バフチン 対話の原理』、オリヴィエ『母と娘の精神分析』(共訳)、G・リポヴェツキー『空虚の時代』(共訳)、トドロフ『イラク戦争と明日の世界』、H・ド・サン=ブランカ『人類の記憶』、トドロフ『悪の記憶・善の誘惑』、トドロフ『絶対の冒険者たち』、Ph・ロジェ『アメリカという敵』(共訳、以上、法政大学出版局)、トドロフ『民主主義の内なる敵』(みすず書房)などがある。

内容説明

シリア内戦、IS、難民、テロ。「進歩、自由、人民」というリベラルな理念が内なる敵を生み出す。新たな多元主義と民主主義再生へ向けた、渾身の政治文化論。

目次

第1章 民主主義内部の不具合
第2章 古来の論争
第3章 政治的なメシア信仰
第4章 個人の専横
第5章 新自由主義の結果
第6章 ポピュリズムと外国人嫌い
第7章 民主主義の将来

著者等紹介

トドロフ,ツヴェタン[トドロフ,ツヴェタン] [Todorov,Tzvetan]
1939年、ブルガリアのソフィアに生まれる。1963年、渡仏。1973年、フランス国籍取得。現在、国立科学研究所(CNRS)の芸術・言語研究センター研究指導教授

大谷尚文[オオタニナオフミ]
1947年、島根県生まれ。宮城県出身。東北大学文学部大学院修士課程修了。弘前大学講師、助教授、教授を経て、石巻専修大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

23
この本一冊で人々が声高に叫ぶ”民主主義”というものが、如何に実体のない虚構であるかが再認識できる。自らが生み出した怪物に脅かされるという、昔から物語で使い古されてきた構図が、現代の民主主義を取り巻く環境にも当てはまるのだ。経済・外交・科学・果ては国民の信頼感すら、理想の民主主義にヒビを入れるリスクを負っているという事実。更には漠然とした「絶対正義」のイメージが他国の民主主義を否定することに繋がる皮肉。正に絶望と呼んでも間違いではないほどのものが本書からは感じられる。2016/09/05

刳森伸一

8
現在のヨーロッパ諸国において民主主義の敵は、全体主義のような別の価値を標榜する外部にいるのではなく、人民や自由のような民主主義が大事にする価値の濫用(行き過ぎ)から生じると説く。例えば、自由も、戦争行為により暴力的に他国に押し付ければ、強制となり、押し付けた側(支配者)と押し付けられた側(被支配者)の間では不平等が生じるからだ。トドロフの視線はあくまでもヨーロッパ諸国(とりわけ、トドロフが住むフランス)に向けられているが、ポピュリズムの台頭など現代日本にも恐ろしいほどよく当てはまる。(続く)2016/08/18

Mark.jr

5
第1章だけでも、読んでおくべきではないでしょうか。常識の範疇として。 「民主主義とはまず第一に、語源的な意味では、権力が人民に属する体制である。実際には、人民全体が代表者を選び、それらの代表者が主権を有するものとして法律を制定し、前もって決定された期間、一国を統治するのである。民主主義はこの点で、祖先に由来する諸原理に服すると主張する伝統的な社会とか、神受権をもつ王によって支配される絶対君主制とは異なっている。」2021/11/14

天婦羅★三杯酢

1
”今”の問題を扱うのに、まずはローマ国教の地位を確立した時代のキリスト教における2人の司教(アウグスティヌスとペラギウス)から説き起こすと言うところに欧州人の論なのだなぁという感想を持つ。そして、それはそのまま後者が啓蒙から革命思想へと受け継がれると、本書では「政治的メシア信仰」というラベリングを施される。単純な二極構造として受け取ってはいけないと何度かエクスキューズされながらも、民主主義を完成した体系とはせず、常に動態的なものとして捉え、擁護しよう、というのが作者の言か。2019/09/22

Fumi Kawahara

1
こういう系、ほんとダメ。目で文章を追っても、頭に入ってこない。故にダラダラ読みで1冊読むのに信じられないくらい時間かかった(^_^;)そして頭に何も残ってない・・・「なるほど」と思って付箋貼った所はいっぱいあるんだけどな~・・・こういう分野は、もっと簡素で軽い本を探さないとな・・・2018/09/22

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