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大人の本棚
遠ざかる景色

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085034
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1370

出版社内容情報

人気画家の味わい深いエッセイ集待望の復刊。パリ留学時代に出会った人々との交友、戦歿画学生を訪ね歩いた夏の記憶など全18篇。

洋画家・野見山暁治のエッセイ集『遠ざかる景色』(1982年、筑摩書房刊)を《大人の本棚》シリーズとして復刊。復員後目の当たりにした故郷博多の空襲、終戦を迎え自由に絵が描けることの喜びと戸惑い、パリ留学時代の回想、義弟・田中小実昌のこと、信濃に建設した「無言館」や戦没画学生への思いなどが、92歳の今なお健筆を揮う最長老画家らしい彫琢に富む筆致でつづられる。

内容説明

90歳を超えてなお隆々なる画家が軽妙に描く出会いと別れ。個性的な家族やパリに生きる人々、戦歿画学生の遺族…。遠ざかる過去が肖像画となってよみがえる。

目次

1 遠ざかる景色(夜道;留守の家;七人きょうだい;文章修業;義弟・田中小実昌 ほか)
2 異国の人びと(フランス人気質;パリのクリスマス;パリ‐東京‐福岡;リドーって何デシカ;パリ再訪 ほか)
3 ある鎮魂の旅

著者等紹介

野見山暁治[ノミヤマギョウジ]
1920年福岡県生まれ。43年東京美術学校油画科卒業。応召、45年福岡で終戦を迎える。52‐64年滞欧。58年安井賞受賞。68年東京藝術大学助教授(72年教授)、81年辞職。92年芸術選奨文部大臣賞、94年福岡県文化賞、96年毎日芸術賞、2000年文化功労者顕彰。全国の戦没画学生の遺作を窪島誠一郎氏とともに収集、それらを展示保存する「無言館」(長野県上田市)設立にも尽力した。『四百字のデッサン』(78年度日本エッセイスト・クラブ賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぱせり

14
目に見える景色も、人の心の風景も、眺める方角をちょっと変えただけで、ほら、こんなに違って見える。あちこちから眺め、見える景色の印象が増えるごとに、その景色は陰影を増すのだろう。この本のタイトルは『遠ざかる景色』なのに、見たことのない景色、会ったことのない人々が、鮮やかに目の前に現れるのを感じています。2014/04/25

utataneneko

5
子供の頃の思い出、フランスやスペインで出会った人々、戦没した画学生の遺族を訪ねる鎮魂の旅をつづった文章…。この本に収められている景色や人々たちは、もはや“遠ざかってしまった”と筆者はいうが、初版から30年経た今も、読んでいると、情景が目前にあざやかに立ちのぼってくる。特に印象深かったのが、異国で出会った、一癖も二癖もあるが人間味ある人たちを描いたエッセイ群と、最後に収められた「ある鎮魂の旅」だ。画学生たちの短くもひたむきな人生、そして遺族たちの抱える悲しみが、胸に迫ってくる。2014/04/02

メルセ・ひすい

2
絵描き…何を考えているのか? 実は自分でもはっきりわからん!…しかし、人は絵に対して文章のようなつもりで接しているのではないか。ことがらの成り行きみたいな情景を画面の中で探し、そのことを納得させてから、その情緒に入り込もうとする。そこに描かれているものに文学的意味なんか無い。小生の絵に難解も糞もない。絵と文は相関無でなのだ。故郷の山中をさまよい歩いた経験を綴る幻想的な「夜道」をはじめ、気難し屋の建築家にアトリエ設計を依頼した苦労譚、義弟・田中小実昌のエキセントリックな人間像など、追憶の全19編を収録。2013/03/20

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