出版社内容情報
[スピノザ]
著・文・その他
内容説明
二つの著作は、ユダヤ社会から追放されたスピノザの初期思想をよく伝えるものである。ここには、既存の教義や語彙をもちいながら、同時にそこから自由になれるよう有効な手段を作りあげるべく自らの問題意識と言語を鍛えて、「持続する最高の喜び」を探り、「精神が全自然を相手にもつ、一つに結ばれていることの認識」を究めるスピノザが確かにいる。後年の主著『エチカ』へと至る哲学の根本動機と独自の方法論が記述される二篇を、ラテン語刊本およびオランダ語写本から半世紀ぶりに新訳。最新の研究を踏まえた精細な訳注と解題を付した待望の一巻。
目次
知性改善論
神、人間とそのさいわいについての短論文
短論文の概略
訳注
著者等紹介
スピノザ[スピノザ] [Spinoza]
1632‐1677。1632年11月24日オランダ、アムステルダムのユダヤ人居住区で商人の家に生まれる。両親の家系はイベリア半島でキリスト教へ改宗したユダヤ人(マラーノと呼ばれる)で、オランダに移住し、ユダヤ教の信仰生活を回復していた。ヘブライ語名バルッフ(Baruch)、ポルトガル語名ベント(Bento)、のちにラテン語名ベネディクトゥス(Benedictus)を用いた。ユダヤ教会内で早くから俊才として注目されたとも伝えられるが、1656年7月27日、23歳のときに破門を受ける。1677年2月21日ハーグで歿す。同年、「エチカ」を含む『遺稿集』が刊行される
佐藤一郎[サトウイチロウ]
1952年生まれ。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。山梨大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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