出版社内容情報
表題作はじめ「自然史の理念」「哲学者の言語についてのテーゼ」「音楽アフォリズム」の4篇。若きアドルノの重要論考をはじめて公刊
内容説明
「だからこそ、哲学はたえず新たに始めなければなりません」―表題作を筆頭に初期の重要論考4編、はじめての公刊。
目次
哲学のアクチュアリティ
自然史の理念
哲学者の言語についてのテーゼ
音楽アフォリズム
著者等紹介
アドルノ,テオドール・W.[アドルノ,テオドールW.][Adorno,Theodor Wiesengrund]
1903‐1969。1903年ドイツのフランクフルト・アム・マインに生まれる。同市の大学およびウィーン大学に学び、フランクフルト大学で講義していたが、ナチス政権時代、イギリスを経てアメリカに亡命、1949年帰国。翌年から同大学教授。ホルクハイマーとともに研究所を再建した。哲学・社会学・美学の領域を横断しながら、フランクフルト学派の代表的思想家として知られるいっぽう、アルバン・ベルクについて作曲を学び、作曲を重ねたほか、現代音楽に関する理論および批判を展開した
細見和之[ホソミカズユキ]
1962年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。現在大阪府立大学人間社会学部教授。博士(人間科学、大阪大学)。ドイツ思想専攻、詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kyu121
1
アドルノは、当時のあらゆる哲学の流派を批判して、全体性への要求はもはや断念されなければならないという。それぞれの主張を突きつめていくと、その基本前提を撤回しなければ成り立たない限界まで到達せざるをえない。そうやって内側から限界まで突きつめていって、その彼方に独自の哲学を築く。それは、本来性や深さとかいったものを否定し、徹底的な表象に踏みとどまりながら、そこに現れる微小なことがらのコンステレーションによって像を結ぶこと。この本は、問いそのものを弁証法的に消滅させるエッセーである。2017/12/07
μέλισσα
0
己の未熟を痛感した。 ベンヤミンを取り込もうとしているアドルノの苦闘の痕跡であり、まずはある程度ベンヤミンについて勉強してから読むべきであると思われる。2024/10/10
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- 和書
- 源氏物語の史的空間