内容説明
「日本国憲法」を語る際の、最も基本的なキーワードや、概念の背景について、あらためて解説・吟味します。「国家」「国民」「個人」「人権」「主権」など、まっとうに議論するためには勘違いがあってはなりません。本書は日本を代表する憲法学者によるシャープな書き下ろし。いま、憲法について論ずるための本格的な入門書です。
目次
第1回 「憲法」とは―四つの八九年
第2回 「人」としての権利(1)―個であることの「淋しさ」に耐える
第3回 「人」としての権利(2)―自由と・または公正
第4回 「市民」としての権利―公共社会を自分たちがつくる
第5回 第九条―「汝、平和を欲すれば…」
著者等紹介
樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
1934年、仙台市生まれ。東北大学法学部卒。東北大教授、パリ第二大学客員教授、東大教授などを歴任。現在、日本学士院会員、フランス学士院準会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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獺祭魚の食客@鯨鯢
13
地元音大が主催する「音楽と自由」という講演会を拝聴しました。「会議は踊る」、ベートーベンの「月光」、ヴェルディの「ドン カルロ」など芸術の自由と国民としての自由を氏と音大学長梁瀬進氏の幅広い見識からのお話でした。法学士ので端くれとして、「立憲主義」がナチスドイツの時のように崩壊しないよう、政治への無関心にはならないように肝に銘じる必要があることを痛感しました。ベートーベンも闘いましたから、音大生ももちろん関心が高いと思いますが、会場にはあまり学生は参加していないようでした。2017/10/19
Junichi Wada
2
門外漢のため、ちょっと難解。ただ、中学時代に前文を社会の時間に暗誦させられ感動を覚えた記憶がよみがえる。なんと崇高な文章だろうと感動を覚えたものだった。 内容としては、近代憲法、国民の権利獲得の歴史を日本国憲法に当てはめて書かれている。また、憲法の内含するする矛盾点を考察している。2012/09/23
はぐはぐ
1
日本国憲法の改正論議が叫ばれていますが、それを論じるにあたって知っておくべきことが書かれています。すごく関心を持って手に取ったのですが、樋口先生の本ということでやはり難しかったです!ただ、従来の日本国憲法に沿ってツラツラと説明していくという形式ではなく、樋口先生オリジナルの分類、視点で進んでいくので、異なる観点が得られたと思います。改正論議の知識をもっと勉強したいと思いますが、一通りしてもう一度この本を読みたいと思います!2013/06/25
やま
1
授業の参考資料です。2008/05/13