内容説明
芸人にとって断食はしかたなかった。なぜなら「口にあう食べものを見つけることができなかったから」。『変身』のカフカによるこの短編をよく読んでみれば、そこにはラストメッセージとしての奇譚がくっきり浮かび上がる。不幸であることを書いて寓話になりきれない“わたし”の文学に、いまこそ私たちの世界が追いついた。
目次
第1回 読解ゲーム(1節、断食芸人たちと、この断食芸人;檻とガラスの箱;2節、“公衆” ほか)
第2回 “わたし”の寓話(作品と作者;寓話になりそこなった寓話;アルキメデスの点 ほか)
第3回 “わたくし小説”と“私小説”(私小説の伝統とカフカ;カフカとカサイ;「贋物」(一九一七)
「不幸であること」(一九一〇)
自由で無拘束な文学的ジャンル
幽霊との対話)
著者等紹介
三原弟平[ミハラオトヒラ]
1946年生まれ。京都大学教授。専門はドイツ文学。二〇世紀初頭のドイツ文学、とくにカフカ、ベンヤミンを中心に二〇年代、三〇年代の作家・思想家たちを問題にしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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