内容説明
ブレヒトのパリ初演と運命的に出会ったバルトはいっそう熱心に演劇批評に力をそそぐ。サルトル戯曲の擁護、カミュとの論争、そしてソシュール言語学の発見。緊張と期待にみちた時代の批評集。
目次
シュヴァルツヴァルトでのフォーラム―ドイツとフランスの作家たちが出会う
マチスそして生きるしあわせ―幸福感を与えるだけの絵画か
『ペスト』―疫病の年代記か孤独の小説か?
カミュからバルトへ反論する書簡
子供の歴史のために―おもちゃをめぐる神話
現代フランス小説の小社会学―「女性小説」と「ブルジョワ小説」
前衛のワクチン―バローが演出したフライの『囚人の夢』
『マクベス』―知性的なヴィラールの演出
クローデルについての談話―死去直後の追悼討論会より
開かれた宝庫、見出された宝―クロード・ロワ『フランス民衆詩選』について〔ほか〕
著者等紹介
バルト,ロラン[バルト,ロラン][Barthes,Roland]
1915‐1980。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった
大野多加志[オオノタカシ]
1952年生まれ。1979年東京大学文学部卒業。1986年早稲田大学人文科学研究科博士課程修了。フランス文学専攻。東洋学園大学人文学部教授
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