出版社内容情報
ソルジェニツィンの翻訳でも知られる詩人が、70年代のソビエトやメキシコを自由に歩いた旅のスケッチ。気品と笑いと勇気の紀行文学
内容説明
「紀行文は紀行文に親和する。犬たちの最大関心事が他の犬たちであるように。」ソビエトへ、メキシコへ。自由な精神が見て取った世界の心情。大人の旅行文学。
目次
ソビエト一九六四‐六五、ロシア一九九二(冬の旅;ソ連旅日記の切抜き;ソビエトとチェコの舞台あれこれ;西鶴と原水爆;ヤルタの印象)
イタリア、フランス一九七一‐七二(旅のメモ;ガンベッタ通りで)
メキシコ、ガラパゴス一九七二(半世紀を経て;十一月十二日;魔の島で)
メキシコ一九七五(アネネクイルコ村へ)
メキシコ一九七七(シャンデリアの輝き;メリダの断片;遺跡から機動隊まで;タスコの一夜;マルタとノーラ)
著者等紹介
岩田宏[イワタヒロシ]
1932年、北海道生まれ。詩人・作家。東京外国語大学ロシア語学科中退。詩誌「今日」「鰐」同人。1956年、第一詩集『独裁』を上梓。『岩田宏詩集』で藤村記念歴程賞受賞。小笠原豊樹の名で翻訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かもめ通信
18
読友さんの紹介で手にした本。著者の名前に聞き覚えはあったものの、途中ロシア人作家に会いに行くくだりを読むまで、不覚にも翻訳家の小笠原豊樹さんと同一人物だと気づいていなかった。この本には1960年代のソビエト、90年代のロシア、70年代のイタリア、フランス、そして70年代3度に渡るメキシコの、それぞれの紀行文が収録されている。詩人が見た街並み、袖振り合った人々との会話、その地に暮らす人びとの営みが醸し出す、異国情緒たっぷりの味わいを充分に楽しんだ。 2015/03/08
ぱせり
11
サバタ、トロッキー、フリーダ・カーロ。あまりに物を知らない自分を恥じ、著者に申し訳なく思う。でも、このような紀行文を読むのは、人に会いたいからだと思う。偉大な名を訪ねる旅は、多くの名もなき人びととの一期一会の出会いの積み重ねだった。その出会いが重なって一つの風景になっていく。2015/01/14
メルセ・ひすい
1
15ー121 …容姿の一番よいブロンド娘に歌詞を教わる。 作詞作曲「ブラート・オクジャーワ」 きこえるだろう、軍靴のひびき 狂った鳥が飛んで行く 小手をかざして女は眺める 何を眺める? 知れたこと きこえるだろう、 太鼓のひびき 兵士はいとしいひとと別れる 霧のむこうへ部隊は消える 昔がくっきり見えてくる… ★旅の意味とは。ソビエトに始まり、イタリアとフランス、そして、どこよりもメキシコ。自由な精神が見て取った世界の心情。1960年代から1970年代の世界の空気が横溢する、大人の旅行文学。2011/12/27
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