大人の本棚
新編 戦後翻訳風雲録

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080763
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C1395

内容説明

戦後の混乱のなか、早川書房の「ポケミス」刊行開始は、エンターテインメント出版界の画期的な出来事だった。著者はその仕掛け人のひとりで、現在は翻訳権・著作権の第一人者。友情に厚く、酒の強かった著者が、濃密につきあい、渉りあった翻訳者や出版人たちは、奇人や破格の傑物にあふれていた。本書は、今となっては誰も語れない彼らの列伝・鎮魂歌であり、翻訳出版界の裏面史である。

目次

はじめに―翻訳者が神々であった時代
詩人
奇人
児童文学者
編集者
エージェント
ジャーナリスト
大学教員
出版者
終わりに―ただ悼む

著者等紹介

宮田昇[ミヤタノボル]
1928年東京に生まれる。元編集者、元海外著作権エージェント。著書は、『翻訳権の戦後史』(みすず書房、2001年第21回日本出版学会賞受賞)等。また、文化庁『著作権百年史』執筆に参加。内田庶名義で児童読み物の執筆も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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タイコウチ

10
とあるところで、最所フミ(『日英語表現辞典』や『英語類義語活用辞典』の著者。翻訳者としても活躍した加島祥造をして、英語の達人と呼ばれていた)に関する記載があると知り読んでみた。2ページほどの記述なので、それほど実質的な内容があるわけでもなかったが、戦後の翻訳業界にいて著者も、つきあいのあった鮎川信夫の死後に、ひと回りほど年長の最所フミが「鮎川夫人」であったことを知り「仰天」したそうだ。本書は、著者が直接関わった戦後のミステリ、SFを中心とした翻訳業界の人物録(70年代頃まで)。随所に戦争の影が感じられる。2025/02/28

法水

5
下北沢B&Bで見かけて手に取り、田村隆一さんの名前があったので購入。著者は早川書房のポケミス刊行に携わり、その後、タトル商会で翻訳権エージェントとなった人物。その経歴の中で関わってきた15名の翻訳家・出版関係者について書いているのだけど(いずれも故人)、それぞれがかなりクセが強くて面白い(田村隆一さんが相手もいないまま、結婚式場を抑え、招待状を出していたとかね…)。と同時に戦後の出版界・翻訳界の貴重な証言となっていて興味深かった。2018/11/30

kokada_jnet

3
読み逃していた。本の雑誌社刊の旧版から、清水俊二分を削除。三田村裕、厚木淳、松田銑、桑名一央分が追加されている。なかでも厚木淳についての記述は、「創元推理文庫・解説目録」別巻収録のインタビューとあわせて読むべし。2011/05/02

繻子

1
鮎川と中桐の競訳のあれこれの際に、もしかしたら唯一、周辺の中では唯一中桐側に立ってくれた人のようだ。立つというより、中桐を信じて、中桐をひどく好ましく感じているようだ。 そのため、木原・田村・鮎川にやや手厳しい。北村にはそうでもない。私情と憤りを交えながら、たいへん直接的に、回りくどい言い回しはまるでしないで、中桐をかばっていて、作者は本とうに中桐を信じたんだなとおもう。いざこざの真相は分からないが、筆者及び筆者の描く中桐の言う通りだとしたら、せつないことだ。2014/09/13

youfuruya

1
本好きにとって、翻訳者というのは気になる存在だと思うけれど、筆者が関わった翻訳者を綴るエッセイ。それにしても、興味深い方たちばかりで、するすると読んでしまいました。下訳の事情も改めてわかったり……。2014/05/07

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