内容説明
人はなにゆえに愛をもとめ、傷つくのか。愛と孤独の深みをみつめつづけた作家が文学に描かれた様々な人生にわけいり、切実な思いをこめて綴った珠玉の恋愛論。
目次
スタインベックのエデンの東1―愛の核となるもの
スタインベックのエデンの東2―愛の拒否と愛の飢餓
モーパッサンのピエールとジャン―女の場合と母の場合
スタンダールのカストロの尼―真実の愛の重さ
マッカラーズの心は孤独な猟人―黒人社会で
サマセット・モームの人間の絆―愛、この不可解なもの
フローベールのボヴァリー夫人―愛と女の運命
サマセット・モームの雨―神の愛と人間の愛
テネシー・ウイリアムズのガラスの動物園―愛の構造(1)孤独
テネシー・ウイリアムズの夏と煙―愛の構造(2)二つの愛
テネシー・ウイリアムズの欲望という名の電車―愛の構造(3)愛の破局
著者等紹介
田宮虎彦[タミヤトラヒコ]
1911年東京生まれ。1936年東京帝国大学国文科卒。在学中に高見順らの『日歴』に、卒業後に武田麟太郎らが創刊した『人民文庫』の執筆グループに参加する。1938年の『人民文庫』廃刊後は約10年間、教師など様々な職業を転々としながら執筆を続け、戦後、『霧の中』(1947)『落城』(1949)『足摺岬』(1949)を発表、注目される。1988年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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