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大人の本棚
林芙美子 放浪記

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080442
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1395

内容説明

私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない―一生に一度しか書けない進行形の“青春の書”、林芙美子『放浪記』改造社版(昭和5年刊)をここにおくる。

著者等紹介

林芙美子[ハヤシフミコ]
1903年5月頃、山口県門司市で行商人、宮田麻太郎・林キクの子として生まれる。1922年、尾道高等女学校を卒業後、岡野軍一を追って上京、事務員・女工・女給などの職を転々としながら詩を書きはじめる。1928年10月『女人芸術』に「秋が来たんだ―放浪記」の連載を開始、この連載を元に改造社から1930年7月に新鋭文学叢書の一冊として刊行された『放浪記』はベストセラーになった。同年11月に『続放浪記』を同じく改造社から、戦後の1949年には『放浪記 第三部』(留女書店)をそれぞれ刊行した。1951年に47歳で急逝するまで、第一線の女流作家としての活躍を続ける

森まゆみ[モリマユミ]
1954年東京都文京区動坂に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。地域雑誌「谷中・根津・千駄木」編集人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スイ

6
放浪記というタイトルから、様々な土地を流れ流れていくんだろうなと昔から思い込んでいたのだけど、割ととどまってるな…?と読みながら思っていたら、職と男を放浪しているといった文章があり、そういうことかー!と一気に納得。 ふるさとを持たない放浪者、という冒頭の文章がより染み入る。 内面の放浪なんだなぁ…。 解説で後年、林芙美子自身が書き直した文章と元々のものを比べてあったが、オリジナルの方が断然魅力的。 内容はしんどいところも多いが、リズムと若さがぴったり合って、跳ねるような文章が心地好かった。 2018/09/26

ぱせり

5
めちゃくちゃでどん底。根なし草のような暮らしの中で、故郷(それは見たこともない理想郷のようなものだったのかもしれない)に寄せる思いが切ない。そして何よりも心を打ち、圧倒されるのは文学や詩への強い憧れ。暗闇を照らす光のようだった。2011/11/17

hitsuji023

2
詩を読んでいるような感じ。時折吐き捨てるような魂の叫びのような言葉が心地良い。貧しさと闘っている人や日々の暮らしにむしゃくしゃしている人は共感すると思う。だけど、決して読みやすい文章ではないので合わない人には合わないだろう。自分は読み切ったけど、再読するかと言われればしないと思う。読んでいて、時代は違うけど高橋源一郎の「さようならギャングたち」に似ているような印象を持った。2022/05/18

mistral

2
浮雲の前に読んでみました。関東大震災の後の東京で、ひとりで。生きていく、生きていく。ざらざらした日常とか、小さな喜びとか、罵倒語のバリエーションとか、いきいきとしている。何度も、もうお母さんのところへ帰ろうか、と独り言が出てくる。普段のエネルギッシュさとの対比が印象的。2021/08/31

Gen Kato

2
新版で何度も読み返している最愛の書。粗削りなこの「初出」版も確かにはまりますね。どっちに先に触れるかで読み手の意見は異なりそう。2016/09/23

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